なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 「脱中華」の日本思想史

なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 「脱中華」の日本思想史

850円 (税込)

4pt

3.8

大和朝廷が儒教より仏教を重んじた理由とは? 江戸の儒学者や国学者が見つけたものは何か? 文明の独立自尊を守り抜いた、日本人の「知の営み」の凄さ! なぜ日本は、中韓から超絶した素晴らしい国になったのか。その秘密は、中華文明と果敢に対峙しつづけた日本思想史にあった。歴代の中華帝国は「中華文明」を振りかざし、周辺国に圧倒的な影響力を及ぼしてきた。しかし日本だけは、決して呑み込まれなかった。聖徳太子、最澄、空海、伊藤仁斎、荻生徂徠、本居宣長はじめ、日本の偉大な思想家たちは何を考えてきたのか? そして日本人は、いかに「中華」を完全に排除し、世界でも類を見ない日本文明の思想的高みに至ったのか? 実は、中国からやってきた著者にとって、どうにも不可解なことがあった。どうして、江戸時代以前の日本の代表的な思想家はほとんど仏教の世界の人間なのに、江戸時代期に入ってからの代表的な思想家はほとんど儒学者なのか、ということである。この疑問について考えていくなかで、著者は様々なことに気づく。仏教も儒教も、6世紀頃、ほぼ同時に日本に伝わってきたはずなのに、日本人の受容の仕方はまったく違っていた。それはなぜなのか? また、江戸時代に儒教を取り入れていながら、儒教国家であった中国や朝鮮のような国にならなかったのはなぜか? 対中関係という視点から見ることで、日本思想史はこれまでの「日本人の常識」とはまったく違った貌を見せはじめる。北京大学哲学部卒・山本七平賞作家による、独創的かつ驚愕の「日本文明の謎に迫る知的冒険」。 【目次】●序章:思想としての「中華」とは何か ●第1章:飛鳥・奈良時代――脱中華から始まった日本の思想史 ●第2章:平安から室町――仏教の日本化と神道思想の確立 ●第3章:江戸儒学の台頭と展開――朱子学との戦いの軌跡 ●第4章:国学の快進撃――日本思想史のコペルニクス的転回 ●終章:幕末と明治――儒教の復権と国民道徳の形成

...続きを読む

なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 「脱中華」の日本思想史 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年07月25日

    他の方も指摘されているように、タイトルと内容が少し違うかなと。内容は推古朝から明治に入るまでの壮大な日本思想史。思想という視点で日本史を見たことが無かったので、とても新鮮な驚きを持って、筆者の立論にうなずきながら読み進めた。具体的には中国にどうやって飲み込まれないかという観点で日本の過去の知的リーダ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年05月27日

    今まで『何故日本は儒教を取り入れなかったか?』なんて考えたこともなかった。中国以外で儒教を正式に取り入れた国は朝鮮とベトナムしかないのだから、世界的に普遍的な価値を持つ思想ではなかったという事なのだろう。古代~中世の日本の指導者たちがそれを選択しなかったのは、著者が指摘するような遠大な展望とか計算が...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2018年04月12日

    隣国の中華思想にさらされた本邦が思想的に如何に克服してきたかを探った思想史。
    各思想を深掘りすることはないが、流れに沿って簡潔かつ必要十分に特徴を記している。
    著者の問題意識や思考の流れを辿ることができ、非常にわかりやすい。
    著者が最後に残した疑問は、恐らく今後の著書の中で解き明かされるのだろうが、...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2018年02月23日

    「脱中華」に日本思想史という副題の方が内容をよく言い当てている。
    黎明期の日本が強大な支那に対して独立を保つために、儒教ではなく仏教を思想として採用した経緯。そこからの仏教の変容と儒教の対等、さらに国学が生まれていく過程を分かり易く著する。
    面白いなあ。
    学校の授業って、結構面白いことをやってるのに...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2019年01月22日

    こうした本に出会うのが新書の面白さである。

    いかんせん、著者の日頃の中国嫌悪/日本賛美の傾向とそれが全面に出たタイトル及び帯が、読者の幅を狭めているのではないかと思う。私も中身を読んだ人に勧められなければ読まなかったであろう。

    しかし、中身は斬新な切り口から日本の思想史を見渡しており、特に前半は...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2018年11月17日

    中華思想と日本思想(というべきか)がよくわかり、また、先人の知恵のすばらしさに感銘する。これまでの歴史があり、今の日本がある。少し方向がずれているのかも、であるが。次の刊行に期待する。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2018年04月22日

    中華皇帝の「徳」を慕って「教化」を求める周辺国の中で
    唯一日本は推古天皇から隋の煬帝に対し、
    仏教を国の中心に据えることにより、
    中華文明より普遍的な価値にて中華帝国と対等な位置に立つ。

    中華「天命思想」
     易姓革命により王朝交代の悪循環
    日本「記紀」
     天照大神の子孫とし血統がつながっている。
    ...続きを読む

    0

なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 「脱中華」の日本思想史 の詳細情報

閲覧環境

注意事項あり
  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア
  • 【閲覧できない環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

PHP新書 の最新刊

無料で読める 社会・政治

社会・政治 ランキング

石平 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す