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近年、異常気象によるゲリラ豪雨が日本各地で多発するようになり、大きな被害が出ている。首都・東京でも、ゲリラ豪雨のために家屋や地下街への浸水、交通網の乱れが出るなど、人々の生活に影響を及ぼす事態となっている。
地球温暖化による気候変化が要因のひとつと考えられるが、東京都建設局課長、江戸川区土木部長などを歴任した著者の土屋信行氏は、「それ以上に、行政の対策が後回しにされていることが問題だ」と語る。
たとえば、江戸川放水路や荒川放水路はそもそも、利根川水系が氾濫し、東京の中心部が浸水することを防ぐために作られている。言い換えれば、江戸川以東、荒川以東に水が逃げるようになっている。放水路が作られた時代には、それで問題なかった。だが、都市開発が進んだこの地区をいま豪雨が襲えば、多くの世帯が甚大な被害を受けかねない。にもかかわらず、放水路の東側は100年近く、放置されたままだ。
土屋氏が危険だと指摘する都内の場所は、他にもいくつもあるが、その1つが東京駅。周辺が低地であるため、実は水没と隣り合わせの状況にある。また地下鉄も早急に対策が求められている。現在の構造のままだと、地下鉄に流れ込んだ水が、日比谷駅や銀座駅あたりで吹き出すことが懸念されている。すでに、台北の地下鉄で同様の事態が起きており、復旧には3カ月をようしたという。
多発するゲリラ豪雨に対して、洪水対策の第一人者が、都内の危険地区を示すとともに、あるべき強靭化の方策を提案した必読の書。
Posted by ブクログ 2016年08月11日
タイトルが少し刺激的ぽくてあれだけれど、
内容は、
首都圏大規模水害のリスク(江戸期の河道付け替えも踏まえて...)、
気候変動(適応策の重要性)、
東京東部のゼロメートル地帯の高潮や"地震洪水"リスク、
山の手のゲリラ豪雨リスクとXRAIN、
さらには、過去の大水害から学ぶこと...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年09月25日
茨城栃木の水害の恐ろしさを目の当たりにしてタイムリーな本を見つけた。自分が住んでいるところは荒川放水路の左岸にあたる川口市である。街には浸水したときの水位がテープで電柱に記してあり中には5メールのところもある。過去には水害で大きな被害を被ったこともあったようで、市民には身近な災害である。この本を読ん...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月20日
歩道橋はまるで滝のよう。マンホールからは噴水のように
水が吹き上がり、住宅街の路地にはにわかに川が出現する。
近年のゲリラ豪雨や台風の際に見られる都市での洪水の
風景だ。
東京は雪に弱いと言われるけれど、それは雪が消えたら
自然と解消する。だが、水害はどうだ?水浸しになった
家屋は再建するのに時間...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年02月02日
○元東京都職員の土屋氏の作品。
○土木建築や防災を専門とする著者による、東京都における水害リスクを、過去の歴史や他国の状況などを踏まえ、警鐘を鳴らす作品。
○河川についての構造や防災対策、地形がもたらす影響など、具体的な説明でリスクが分かりやすい。
○これだけ人が集中する東京が、これほどのリスクにさ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年09月22日
自然災害リスクが高い都市ランキングで東京・横浜地区が世界1位となったらしい。低地への人口集中と水害にたいする備えの甘さがリスクを高めている理由のようだ。
本書の中では東京都の話がほとんどであり、残念ながら横浜の話はでてこない。歴史、先人達の意見を尊重することが災害たいsくには重要とのことなので、横...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年12月19日
「人が住んでいいない場所では、台風が襲来しても、火山が爆発しても、地震が起きても、それは災害ではなく自然現象でしかありません。人が住んでいるからこそ、災害なのです。」
「台風が日本を襲ってくるのではなく、日本が台風の通り道にいるのです。」
「日本を攻撃するのに大量の軍隊も核兵器も必要ありません。無人...続きを読む
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