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過酷な運命を背負って生まれてくる人がいます。この実話物語(ノンフィクション)の主人公もそんな一人です。少女時代に父親から性的虐待(ぎゃくたい)を受けた母。幼き日に目の前で見たその母の自殺、その後、預けられた養護施設での虐待、若くしてのホームレス生活――義務教育もろくに受けられず、拾った新聞などで文字を覚えた彼女が考えつづけた「なぜ、生きなければいけないのか?」という問いへの答えとは? これは、生きづらさを抱えたあなた、失意に沈んだ時のあなた、悲しみにくれる日のあなた――のための物語でもあるのです。
“芸術家は、もともと弱い者の味方だったはずなんだ”――『畜犬談(ちくけんだん)』(太宰治)
「三十一文字が長く細い鎖となって暗闇の底に降りていて、ふと手に取ると歌人が命がけで向こう端につかまっているのがわかるのだ。」(いとうせいこう氏・推薦!)
【編集者より】希望の書であるビリギャル編集後に鳥居氏のお話を伺い、「信じられる人とついに出会えず、自分の人生は失敗だ、と思った時、人はどう生きるのか」という本を手がけたく思いました。壮絶な“家なき子”人生の中、鳥居氏の心を救ったのは芸術。「芸術家は、もともと弱い者の味方だった筈なんだ」という太宰治の言葉を体現したような実話で、皆様の周囲にひっそり生きる弱者とされる人々をかすかに照らす、かがり火のような一冊です。
Posted by ブクログ 2019年11月02日
セーラー服の歌人鳥居 岩岡千景 KADOKAWA
教師であった両親と裕福ながらしつけの厳しい中で
父親に性的迫害を受け良妻賢母の母にも突き放されて
家出同然のシングルマザーであった母の服毒自殺に
11歳の少女は学校からの帰宅で出合い
死んだ振りをしているのだと思い
のり弁を水で飲ませようとしたり...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月14日
過酷な子供時代を過ごした彼女が、短歌に出会ったことで生きる望みを見出し、歌人として活動する話。
鳥居氏のことは、Twitterのフォローはしているものの「セーラー服着たサブカルっぽい雰囲気の歌人」くらいにしか認知していなかったが、この本で彼女の半生を知り、もっと早くこの本に出会いたかったと後悔した...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年03月03日
以前、記事か何かでこの歌人のことを知り、ずっと気になっていた。
かなり壮絶な体験の持ち主。解離性障害を負っているというほどの過酷さである。よくぞここまで生きていたとすら感じる。
彼女自身の体験から紡ぎだされた短歌は、平易な表現でありながらとても心を揺さぶられる。彼女最初の作品集『キリンの子』も一緒に...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年07月25日
鳥居さんのことはこの本で初めて知った。普通に学校に通っていた私には信じがたい境遇。何とかならなかったのかと思うけど、本人にとってはどうしようもなかったんだろう。鳥居さんの存在を知れたという意味では読んでよかったけど、本としては記者のメモ書きみたいな感じで、ただ淡々としていてあまり心に響いてこない。...続きを読む
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