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日本の相対的貧困は、およそ2000万人――。75歳以上の後期高齢者よりも多いこの国の貧困層は、この先3000万人まで増えるとも言われています。そしてこの病巣は静かに、けれども急速に、日本に暮らすあらゆる人々の生活を蝕み始めています。
ひとり親、女性、子供…。これまで貧困は、社会的弱者の課題として語られることが多かったはずです。けれど貧困は今や「一部の弱者の問題」として片付けられる存在ではなくなっています。
困窮者の増加が消費を減退させ、人材不足を進め、ひいては国力を衰退させる――。
経済記者が正面から取り組んで見えてきたのは、貧困問題が日本経済や日本社会に及ぼす影響の大きさでした。「かわいそう論」はもう通用しません。求められるのは、貧困を「慈善」でなく「投資」ととらえ直す視点の転換です。企業やビジネスパーソンにできることは何か。貧困を巡る日本の現状と課題、そして解決の糸口を「経済的観点」から分析した初のルポルタージュ。
Posted by ブクログ 2018年08月11日
日本における貧困は衣食住がままならないような「絶対的貧困」ではなく、「関係性の貧困」と言われている。
この本でインタビューを受けている人たちもその例に漏れず、親子関係が悪かったり、他に頼れる人たちがいないので貧しい暮らしをしている。
助け合える仲間がいれば実際、お金はそんなになくても生活していけ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年12月12日
著者は同世代なんだろうな、と思ったら8つも若かった。
すごいモノを読んだなというのが一番の感想。
全ての文がぐいぐい刺さってくる。
もしかしたら、日経の記者とはいえ、経済学系ではなく文学系の学部を出ている著者の経歴も関係するか。
著者は恐らく貧困とは無縁のエリート。
エリートが出来得る一番の貧困対策...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年10月25日
貧困とは解消しなければいけない。単に貧困によって浮くコストである費用、さらに本来得られるはずであった税金から考えても当たり前だ。この考え方が日経ビジネスで語られたことに意味がある。あまりにも貧困に同情的な視点で書かれるのではなく、日経ビジネスに掲載する、ジャーナリスティックに貧困という現状を見つめた...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月03日
非常に丁寧に調査・執筆された印象。あいりん地区やSIBの例にも触れていて、日経の読者層にどう訴えるか、試行錯誤されたのだろう。エリート層の人に感情論で訴えても、自己責任で終わってしまう。まずは問題を知ってもらう、さらには地域が没落したらエリート層の生活も成り立たなくなるという認識に立ってもらうにはど...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年02月04日
限られた財源を有効に使うためには、投資効率を考えた、福祉施策が必要だと感じる。公的福祉施策にも是非取り入れて欲しい。
また、生活保護の不正受給は問題だが、だからと言って本当に必要な人に保護の手が及ばないことがあってはならない。不正受給をあげつらって、生活保護自体の重要性を貶めるような報道はやめるべき...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年08月25日
貧困についての統計データは様々あるが、本書でとりあげた「2014年の消費増税に合わせた低所得者層に1万円の特別給付の対象人数2400万人」は衝撃である。これは「住民税免除世帯」の人数であるのだが、日本の貧困層の一つの数字でもある。
こんな社会が持続可能なのだろうか?
いろいろ考えさせられるが暗い思...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年10月03日
貧困とは縁がなさそうな購読者層を抱える日本経済新聞社の社員が投資の観点から貧困問題を取り上げる一冊です。
本書の中で登場する母子家庭の為のシャアハウスを運営する企業の社長は云う。
『事業として成り立つモデルでなければ、長続きはしない。ひとり親を「助けよう」という気持ちが強すぎると、それは福祉の領域に...続きを読む
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