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「JR九州側に立たないでデザインしていいですか。僕は利用者の立場でありたい」
「ななつ星」「或る列車」から駅・街まで、水戸岡氏が仕事の心構えと覚悟を語る本はこれが最後
JR九州の超豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」の鉄道デザインなどで知られるデザイナーの水戸岡鋭治氏が、世の中になかった列車や駅を生み出していく中でのさまざまな“闘い”を明らかにした本。著者は、利用する人の立場に徹して、顧客である鉄道会社、車両メーカーや国土交通省を説得し、時には自らの考えを改めながら、顧客にとって最善と思われるものを実現していきます。
水戸岡氏はデザイナーの仕事について「顧客の要求を汲みとり、交渉し、妥協し、予算を管理し、値切り、請求書を発行し、地べたを這いまわってものを創り上げていく仕事」と言い切ります。「自分の中からわき上がってくるものを作品にするアーティストとは違う」。むしろ技術者、設計者が手掛ける仕事に極めて近い、“ものづくり”というべき仕事なのです。その視点は常に、車両に乗る人、駅を使う人の側にあります。
2015年8月8日運行開始予定のJR九州「或る列車」や大分駅リニューアルなど、水戸岡氏の2015年の仕事にも言及しています。ななつ星の洗面台を担当した14代目酒井田柿右衛門をはじめとした車両の内外装、小物などを手掛ける数多くの職人との、まさにものづくりの共同作業の描写にも多くの紙数を割いています。仕事に向けての心構えやヒントが数多く散りばめられている一方で、鉄道デザインの舞台裏を色濃く楽しめます。
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Posted by ブクログ
この本の肝は、私にとっては第15章の今後に向かう水戸岡さんからの提案にありました。
駅という窓口をキーにして、どんな街を作っていくかという構想にはワクワクを禁じえません。
水戸岡鋭治さんは、パース絵(完成予想図)作成のプロフェッショナルです。
クライアントに依頼されたモノ、乗り物や建物を作るだけではなく、それを使う人をイメージして、その人々基点に使われる人を意識し続ける姿勢が水戸岡鋭治さんの真骨頂です。
私は、水戸美術館で水戸岡さんの作品展に出掛けたことがありますが、彼が手掛けた乗り物を楽しんでいる子供たちを見て頷いていた彼の姿は、本当に嬉しそうでした。
デザインは、そのモノが使われて、作った人のことを意識せずに楽しんでもらえるようになって本物だという、思想がこの本全体から伝わってきました。
今では、縁の下の力持ちという言葉はあまり流行らなくなりましたが、日本ではこの言葉に代表される職人さんこそが、この国を盛り上げてきました。
職人さんを本当に大切に気遣いながら、発破をかけて、ケチに仕事を仕上げる水戸岡さんを垣間見て、これこそがこれから日本のクールな働き方なんじゃないかと、まずは盗んでみることを決意した次第です。
今朝、久しぶりに時刻表を手にして、九州の路線をめくりながらワクワクしております!
Posted by ブクログ
熊本へ資料調査に行くついでに、博多駅でやっていた水戸岡鋭治展を観た。それが氏をよく知る直接のきっかけだった。
鉄道は好きなので、氏の手がけた数々の車両は知っていたし、なんなら少し勉強もしていたのだが、氏のもつ世界観、空間のデザインの仕方を初めて知ることとなったのはその博多の展示が初めてであった。
デザインというのは氏もいうように、アートとは異なりクライアントの希望に即してやっていくものだけれど、その中であれほどの世界観を作り出していく、氏
簡単に書いているけれども、その世界観を描くところまでよりもそれを作り出していくところまで持っていく調整力と目利きの力、これが本当に勘所というか、氏の能力なのだというのがよくわかった。
調整力はどこにいても鍛えられるが、この目利きの力は意識して学び取っていかなければならない。自分の分野で、自分は第一線の目利きができるだろうか。
ちなみに、氏のプロダクトでは阿久根駅が一番好き。
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