Posted by ブクログ
2015年10月18日
先日石川県に旅行に行った際、店頭で見かけて購入。
あなたの周りに、一緒にいるだけで息苦しい、なんだか安心できない人っていませんか。
いると答えた方も、いないと答えた方も、自分がそうでないと言い切れますか。
社会で生きていく上で、人間関係は切っても切れない重要な要素のひとつです。
どうせなら、周囲の...続きを読む人と良好な関係を築いていける方が、自分にとっても他人にとってもいいですよね。
そんな「一緒にいて、ラクな人」であるために気を付けること、心がけるべきことを、現役心理カウンセラーがアドバイスしてくれる一冊。
ここ数ヵ月で一番ためになった本といっても過言ではないですね。
序盤はよくあるハウツー本だなぁと半ば馬鹿にしていたのですが、読み進めていくと肚にすとんと落ちることが盛りだくさんの良書でした。
気になった頁上辺を折り曲げることにしているのですが、本を横にして確認すると折り曲げた頁だらけです。
これまで、自分は対人のコミュニケーションをキャッチボールと捉えてきました。
投げられた球を、相手のミットに投げ返す。
だから、相手が一番取りやすい球を、取りやすいスピードで投げ返すことが一番大切だとどこかで信じてきたんだと思います。
人によっては、刺激を求めて意外な球を期待しているかもしれません。そのような人には目の覚めるような暴投をしてあげなければならないのでしょう。
心理状態を汲み取ろう、というのは、あくまでこうした自分が球を投げるときの参考資料集めのイメージであり、視点は「投げる自分」「受ける相手」だったわけです。
本書で提示された具体例を読むうち、「受ける自分」と「投げる相手」それぞれの視点に気付くことができたような気がします。
特に「投げる相手」の視点は、当たり前だけれどはっとさせられる要素です。
「なぜこの人は自分に○○の話をしようと思ったのか」
「どうして◇◇について彼は悩んでいるのか」
相手の心理的な背景を想像しようと思える人は、一緒にいて楽な人だと思います。
おせっかいとは次元が違います(おせっかいは、視点が「投げる自分」と「受ける相手」しかない)。
「受ける自分」の分析は、さすが心理カウンセラー、押し付けがましくない指摘事項をそっと並べてくれます。
書かれている内容は、人によっては「そんなの当たり前」なことばかりかもしれません。
しかし、ここまで腑に落ちる書き方の本に出会ったのは初めて。
そんな風に思える方が、自分以外にもいればいいなぁと思います。