Posted by ブクログ
2015年06月13日
あくまで、私個人の考えなので、「いや、違うだろ!」って意見は承知で言うが、食漫画はやはり、一話目が重要だ、と思う。もちろん、食系に関わらず、どのジャンルの漫画でも、一話目で読み手のハートを掴めなきゃ、意味がない、と言いきれる
しかし、食漫画は読み手の食欲を刺激してこそ、だ。なので、一話目で主役が食べ...続きを読むるメニューは相当、重要になってくる、と私は思う
この『ごほうびごはん』のヒロイン、池田咲子が記念すべき第一話で食べたのは、皆が大好きなエビフライ。こもとも子先生、外してない!
また、毎日、美味しいモノを食べるのでなく、週に一回、仕事も私事も頑張った自分への“ごほうび”として、食べたいモノを食べるって話の設定が好い! 咲子と同じ事をしている読み手は多く、共感を得られるだろう。もちろん、私も週一で自分を甘やかしている
たまには自分に優しくしてやらねば、人間、壊れてしまう・・・・・・まぁ、箍を緩めすぎないよう気を付けるべきではあるが
絵柄も素朴だが、咲子や他の登場人物の食べた瞬間のリアクションを最大に引きだせている
また、ただ食べて幸せになるだけでなく、どうして、それを食べたくなったか、理由となる衝動をしっかり描き、加えて、失敗や発見を重ねる事で咲子が社会人としても人間としても成長している瞬間も、描き漏らしていない点は高評価
どのエピソードも心に温かさが染みる。その中でも特に、私のお気に入りは、#20「ジューシー忘年会」だ。ホルモン好きってもあるが、何より、主役の咲子を食うくらい、主任のお酒に酔って顔を覗かせた個性が強烈だったので
この台詞を引用に選んだのは、これこそ、『ごほうびごはん』を表現しているので。社会人に限らず、人間ってのは、自分にとって嬉しい事を目標に決めた方が、やる気が湧いてくる。この問題を解けたらチョコを一つ食べていい、勉強を一時間頑張れたらTVゲームも一時間遊んでいい、企画書にOKが出たら昼食を豪華にしていい、その程度の事でいいのだ。漫然と頑張っているだけじゃ、イイ結果は出ない。自分が幸せなキモチになれるご褒美を決めるからこそ、自分を律す事も出来るのだろう