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洛陽から方万里の外は、夷狄の世界とされた三世紀東アジア。現在の中国東北部、朝鮮半島など「東夷」の国々の考古学的な新知見と『魏志』の世界観から、邪馬台国論争に決着をつけ、倭国の新たな歴史像を描く。
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Posted by ブクログ
「あとがき」にありますが、著者は1973年の志賀島の金印出土推定地の発掘調査、1975年の邪馬台国への道「野生号」の公開実験への参加が魏志東夷伝研究の始まりだとしています。 そして、「魏志東夷人伝」を倭人伝だけでなく『三国志』および『三国志』「東夷伝」のなかでとらえている。 東夷伝には魏の天下観ゆえ...続きを読むに国家的政治利害関係がからみ、事実(史実)と虚実が入り混じっているとしている。 また、天下思想にもとづく侵略戦争、征伐の問題も見えてくる。 つまり、東夷伝には、扶余、高句麗、韓、倭などの「東夷」諸種族について書かれているのだ。 ということは、倭のみならず東夷諸国にとって、貴重な文献資料である。 しかしながら、邪馬台国はごこだったのか? 重要なことは、『三国志』の夷狄思想からの脱却ができるかがポイントであると著者はいう。 内容ですが、 第1章 魏志東夷伝と天下概念 第2章 東夷伝の国々――その王都と境域 第3章 洛陽・帯方郡・倭 第4章 韓の辰王と倭の卑弥呼 ―—月支国・狗耶韓国・邪馬台国 第5章 帯方郡から万2千余里――邪馬台国へ 第6章 邪馬台国への道――洛陽から万7千余里 第7章 倭国王と邪馬台国 ——邪馬台国に存在した2系列の王 第8章 巨大前方後円墳と東アジアの王陵 です。最近の数々の新たな古墳発掘により、倭国の王都の解明が進んでいるようです。 今後ますますの進展がまたれるところであります。
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