激動の昭和初期、エロティックなサービスが巷に溢れていた頃、元・芸妓の君志乃(きみしの)は、健全なカフェーの女主人として店を盛り上げていた。健全がゆえか色恋とは遠ざかり、とある湯屋にある淫靡なマッサージ――『指』による愛撫だけで女の悦楽を得ていた。だがある日、興業装幀家・粋元硯(いきもとすずり)と運命的な出逢いを果たす。巷の女が誰しも憧れる彼のスマートかつ淫らな手ほどきに導かれ、忘れていた恋に目覚める君志乃。滴るような甘いときめきに、涸れていた身も心も再び花ひらく――。
文章力
匿名 2015年08月29日
この手の本は、簡単に読めてすぐに忘れるものだけど、この作品はすごい。コメント書く気になったもの。
最近外国物でベストセラーの官能小説とか読んだけど、軽すぎて、がっかりしました。本棚から完全に削除したい。
フルールはたまに読むけど、これはずば抜けて表現力がすごい。
これはこれでよいけれど...続きを読む