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Posted by ブクログ
可もなく不可もなくといった印象。何も考えず読むことができ、短く、読み始めの人にはオススメ。話しは良く言えばあっさり、悪く言えばありきたり。両作とも恋愛よりは青春に指針が向いていた印象。個人的には表題作よりも「吉乃さんはいいひとだから」の方が好きだった(よって他の人がメインについて多くを書いているため、こっちの感想だけを残そうと思う)。
まず、主人公がマンガ「最終兵器彼女」の主人公を彷彿とさせた。時間軸、舞台は「私の優しくない先輩」と同じため、喜久子や不破先輩も登場。喜久子には少し何ともいえない気持ちになった。ヒロインの吉乃さんの考えには同感できるところもあったが、やっぱり世間一般とは違う考えを持つと、賛同する人や同感する人は数少ない。少なくとも離島なんかであれば特に。ともかく、作りは丁寧なので、スカっとして読み終えられます。
Posted by ブクログ
“私、西表耶麻子は、南愛治くんのことが大大大好きです。いつでも見ていました。いつでも想っていました。恋をしていました。でも私はその感情を、誰にも知られないようにと執拗に隠していました。……恥ずかしいから?いいえ、恋を失うのが怖かっただけです。恋をするのは楽しいのです。授業中にこっそりと愛治くんを見つめたり、渡せないラブレターを書いてみたり、そういった行為がとても楽しく、幸せで、やめられなくなり、いつしか私は中毒になっていました。やめられませんでした。あなたのことを好きだと思うこと、それ自体が楽しみになり、ほんとうの自分の心を置いてけぼりにしていました。私はあなたのことが好きです。でも大大大好きではありません。みっつの『大』をあなたに付加したのは私の卑しい心です。あなたを過分に評価して、美化して偶像化して、こんな素晴らしいひとに恋をしている私はなんて素晴らしい人間なんだろう、と、自己満足をしていただけです。
私は、不良たちといっしょに煙草を吸う人間が嫌いです。
私は、皆ががんばっているのにひとりだけサボる人間が嫌いです。
私は、他に好きなひとがいる相手にいつまでも拘泥はしていられません。
私、西表耶麻子は、南愛治くんのことが好きです。
大大大好きではなかったのに。”
泣けた。
すぐ読めちゃう短編なのに、ぎゅっと話が詰まってる。
しかも、深い。
日日日さんの作品好きだ。
“嘲るというより、やっぱり哀しそうなのだった。
「誰も、わかんないよ、正解なんか、きっとないよ。なのに、どっかにきれいな真実が、ほんとうの愛があるとか、思いこんじゃって、小説とか映画にだまされて、みんな勘違いしちゃうんだ」
そして話は元に戻る。
「吉乃さんも、きっとそう。わからないんだ、だから不安で探し求めてるんだ。だけど、たぶん、彼女の欲しいものは見つからない。きれいなものは、高くて手が届かないところにあるんじゃなくて、いつでもここにあるのに」
胸元に手を当てて、筧はやっぱり抑揚のない声でつぶやく。
「どこか外側にそれを求めたら、期待どおりにいかなくて、失敗して、落ちこむだけ。ツギハオ、吉乃さんは、このままじゃ疲れきっちゃうよ。他のひとに栄養をふりまいて、自分の胸のなかにある芽を腐らせちゃうよ」
それを僕に言って、どうしろというのだ。
おおきなお世話ではないのか、吉乃さんはあれでも幸せそうじゃないか。
筧は頷くと、結論めいたことをつぶやいた。
「そうだね、吉乃さんはいいひとだから、都合のいいひとだから、みんなが利用してもてあそんで使い捨てるんでしょう。だから、誰かが愛してあげなくちゃ。ほんとうに、心から」
「吉乃さんはいつも、楽しく恋をして、男の子に愛されてるよ」
言い訳するように告げる僕を、筧は立ちあがり、じっと見つめてくる。
「恋愛なんかじゃない」
やっぱり、僕のことを何やら誤解しているような口調で。
「ツギハオ、あなたわかってるんでしょう」
何をだ。”
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