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原発の安全性には疑問符がつきまとう。とはいえ、すぐに原発をやめるわけにはいかない。現代社会にエネルギーは不可欠で、今の技術レベルの太陽光や風力発電では、とても原発に代替できないからだ。が、このジレンマは解決できると著者は言う。燃料形態を液体に代え、ウランを燃料とすることをやめ、炉を小型化することで、原発は格段に安全になるのだ、と。この方式は今、世界のエネルギー関係者に「福音の原発」として注目されている。
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Posted by ブクログ
原発を賛成か反対かなどと二択思考で不毛な議論をしている人たちに読ませたい。技術の問題は技術で解決する。それが本当の日本の姿。トリウム研究したい!
評論家の三宅氏が紹介していたので読んでみた 今までの原子力政策の意図はよくわかったし 別の発電方式も理論的に有用であることも知った ただ原発後の日本ではこういった前向きな手法はとられにくいだろう 中国とかに先を越されてしまうだろう 最近すばらしい技術の報道がなされるたびに 別の国に先を越されてしま...続きを読むうのではないかと思ってしまうのは 私だけだろうか 理論を発展させる夢を大切にする人を応援したいがなんとか 良い方法はないものだろうか
放射線の基礎知識は持っているつもりだったけど、この本は結構難しかった。著者は古川和男さんという方。京大理学部卒で、東北大の金属材料研究所でも働いていたことがあるらしい。ネットで調べると、2011年の12月14日に死去されたらしい(84歳)。本書は3.11のあとに加筆修正されたものだから、おそらくは東...続きを読む日本大震災がきっかけで起こった原発事故に対し、義憤真に駆られて本書を修正し、そしてすぐに亡くなられたということだろう。ご冥福をお祈りする。 原子力活用については、不幸な事実だが原子爆弾としての利用されたのが出発点だ。広島と長崎に原爆が落とされた1945年。太平洋戦争が終結し、世界は冷戦に入る。その中で原子力は空母や潜水艦の推進力としてさかんに活用された。特に原子力潜水艦は、一度出港すると何か月も海に潜ったまま活動ができる。実際に、原子力燃料が原潜に搭載されると、海に潜んだ隠密行動を行う潜水艦の推進力としては最適だということだ。 さて、著者の古川さんは3.11の東日本大震災、それに伴う福島第一原発の事故を受けて、政府と東電の対応を大いに非難している。福島第一原発は事故を起こして当然のような原発であり、事故は起こるべくして起こったのだという。でも、安全な原発などあるのだろうか。YES。それが液体原子力燃料を使用するトリウム原発だという。トリウム原発は次の3点が画期的らしい。 1.固体核燃料ではなく液体核燃料を用いる 2.核燃料としてウランではなくトリウムを用いる 3.原発自体を小型化する。 トリウムを用いると、強力な放射性物質であるプルトニウムが生成しないという。放射性廃棄物の処理方法も確立していないウラン235を原料とする現在の方法は明らかに不備であって、トリウムが最適だというのだ。なるほど、その点は納得できるような気がする 液体燃料を用いるとなぜいいのかが、ボクにはいまひとつピンとこなかったが、液体燃料だと冷却方式に熱交換器を使用できるため、安全性が高まるということだろうか。 トリウム原発なんて聞いたことないし、どのくらいメリットがありそうなのかボクには判断できないが、原発は色々な利権が絡んでそうだし、もしかしたらこれからのエネルギー事情を書き換えるくらいの技術なのかもしれない。世の中には、コツコツと研究されている方がいるんだなと、改めておもった。
宇宙そして地球も核反応システムである。核は自然そのものであり人為的なものとして遠ざけるのは誤りであるという著者の問いは、人が常識だと思っていることが真実とは異なることが多いという事実を思い起こさせる。良識あると思われる人々の語ることは、その時点の空気にマッチしているというのにすぎず、正しいわけではな...続きを読むい。 あとがきで紹介されている西堀栄三郎氏の「技士道」の十五ヶ条は重要。
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