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父でありYKKの創業者である先代を引き継いだ二代目社長が、成功体験にとらわれ硬直化した組織をどう立て直したか?MBAホルダーの視点で描く実践経営論。 【主な内容】 第1章 二代目経営者となるまで 第2章 ファスナー事業の海外発展 第3章 建材事業の危機 第4章 新しい経営スタンス 第5章 YKK APでの改革 第6章 新時代に向けて
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Posted by ブクログ
ワンマン経営者の後を襲うというのはこういうことなのか、と感じさせられる本です。YKKの創業者の子息である著者が2代目社長として経営の指揮を執るとき、先代の何を捨て何を残すのか。2代目社長が弱いとされる、人を束ねること、決断力、をどう克服したのか、著者自らの生い立ちから語ります。著者の会社に対する思い...続きを読む入れが伝わる一冊です。
グローバル企業のYKK(旧:吉田工業)の二代目社長である、吉田忠裕さんの著者。先代であり、起業家であり、父である初代経営者のバトンを受け継いだ立場で書かれた2003年の本。 初代経営者のイズムを受け継ぎ、時代と共に変えていくべきなところは、どう表現するか? 十年前の本ですが、グローバル企業として、ど...続きを読むう取り組んでいくか?経営者の観点、二代目としての葛藤とアクション、勉強になる本です。 この、語りかけが経営者には必要なんだなぁ。
YKKの2代目社長による経営論。ファスナー王とよばれた先代のカリスマ経営からの脱却がテーマの一つとなっているが、この著書の包括的なテーマは、市場の変化に対応していかに会社を変革するかということだろう。簡単にいえばプロダクトアウトの時代からマーケットインの時代への変化の対応。先代の時代は、ファスナー事...続きを読む業に関して規格化された製品を大量生産することでコスト競争力を保っていたが、その成功事例を建材事業にも適応しようとしたため、オーダーメードが中心のビル建材分野で後れを取り、多様化するニーズにも対応できず、計画生産のため納期に後れをとった。また社員全員が起業家精神を持てとの先代の理念により、従業員を株分けして販社を大量に作ったことから流通構造に欠陥が生じた。そこで著者は、建材事業を分社化し、販社の統合と直販体制の整備を進めて流通の効率化を図り、顧客のニーズに直に対応するためにR&D部門を工場から切り離し、マーケティングから生産までを統括するプロダクトマネージャー制を敷いた。また性善説を排して権限委譲にもメスを入れた。企業としての建前もあるから著者はあくまでも先代を立てているが、経営理念と経営手法は切り離せないものであって、これらの改革は先代の経営理念をも否定する部分もあったことだろう。一見行ってしかるべき改革であるが、そのためには過去の成功体験とカリスマの呪縛から会社を解放する必要があり、苦悩もあったことだろうと思う。 ところで興味深かったのは、ユニクロのような製造小売業を「プロダクトアウトの復権」と捉えている点である。顧客のニーズに応えるだけでなく、こちらから新しいコンセプトを製品に盛り込み、提案していかなければならない。なにもアパレルや建築業界に限った話ではなく、顧客の求める以上の製品を提供するのが、製造業に共通したテーマだろう。
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