Posted by ブクログ
2015年01月01日
漫画であり、おとぎ話であり、無論BLであり、そして、戦争が起こる仕組みを描いたファンタジーでもある。宗教が違う、人種が違う、と言う戦争の事が描いてある本でもある。そして、愛について描いてある。こんな凄い作品がBLジャンルでくくられてしまうのが勿体ない。
ニィーニの森のウルフの話が胸に痛い…連載読んで...続きを読むた時も涙出た。ウルフのCVあんげんだし…(俺の中仕様)SHOOWAさんずるい。結構な確率で泣かされている。SHOOWAさんの作品に流れる雰囲気が、自分が10代~20代の頃に読んでいた少女漫画を否応なしに蘇らせてくれるもので、この感覚の上手い表現のしようがない…吉田秋生さんのファンタジー作品とか、きっちり覚えている訳ではないんだが、どうしても思い出してしまうんだよ…なんだろう、この感覚。あの頃のプチフラワーの系譜、と言ってしまえば単純に記号化できるんだが、デジャヴとはまた違うんだよなぁ…上手いこと言えない…
SHOOWAさんの描く黒髪タッパあり逞しい男子はどうしてもあんげんで脳内変換してしまうんだが『ニィーニの森』は音声化するの難しいかもしれんが、ウルフは初読み時からあんげんなんだよ…今日、万をじして再読して(連載時から涙腺ヤバ作品)、ウルフのココへの深い献身愛に泣きそうになったわ…休憩時間に読んでたから、喫煙室で号泣するわけはないので無論泣きはしないんだが、第2話目のウルフとココの話、心底切ないのにココの幸せだけ信じているウルフの姿見てると、哀しい恋を幾らしようとココは幸せに生きるよ、と思える希望がある話でもある。寓話的、と言ってしまうだけでは勿体ない。あんげんは「恋する無骨さ」で聴いてる者の感情移入をそそる役は『忘れないでいてくれ』等があるが、その生き様だけで多くを語らず、聴いてる者が思わず泣いちゃうような役って『僕の先輩』の三郎以外、意外にない気がするんだよね。こういう役こそ生きると思うんだよね。ウルフやってくれんか!!