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Posted by ブクログ
初音ミク現象を第三の「サマー・オブ・ラブ(音楽を中心に文化・政治的な主張を伴った社会現象)」に見立て、様々な「目立つ」当事者及び関係者との対話と著者のポジティブな想いを熱っぽくドキュメンタリーに仕立てたエッセイ。
私も聞く側+aとして真っ只中にいた。内部のドロっっっっっドロ抗争にはなるべく蓋をし(カラオケあたりやryoさんの歌詞にちらっとだけ見えるが、もっと目もあてられない状態だ)賛美的に脚色された、厚さのわりにすらすら読める楽しい文章だった。
サマー・オブ・ラブと呼ぶには現象に政治思想があるかどうか…個人的には著作権・創作の分野に一石を投じて欲しいと願い、本の中にもあるように実際動いている方もいらっしゃるが、現象全体の思想の『主流ではなかった(内部のドロドロに一役かうほど)』とも感じている。
明るい未来を感じて欲しい「初音ミクに興味を持った一般の方」にオススメしたい夢のある本だ。
Posted by ブクログ
序章「僕らはサード・サマー・オブ・ラブの時代を生きていた」一章「初音ミクが生まれるまで」二章「ヒッピーたちの見果ての夢」の流れだけでも初音ミクが生まれた背景から技術の進化とヒッピーカルチャーとコンピューターを繋いだ男、そしてアメリカ西海岸というインターネット文化の始まりから今へとわかりやすく書かれている。
一九六七年のアメリカ、一九八七年のイギリス、二〇〇七年の日本、二十年おきのサマー・オブ・ラブには「新しい遊び場」と誰でも参加可能なコミュニティと中心に音楽があった。そう歴史が繋がれている。
ゼロ年代以降に分断されたものを柴さんが意識的に意欲的に自分が関わってきたジャンルできちんと接合しようとしている感じが読んでてする。
上の世代と今の若い世代の狭間で分断されてしまった歴史をきちんとこういう流れがあって初音ミクに繋がるんだよって。すごくそういうの大事だと思う。この書籍はできれば初音ミクとかが普通にあって聴いてきた若い世代が読む事で自分たちの親世代とか上の世代に起きた事やそれが脈々と繋がっている、歴史という時代の果てにあるんだよってことを知ることができると思うし断絶したものを繋げれる一冊になっている。
人形浄瑠璃などの文化がある日本で初音ミクが生まれて育つというかユーザーの間で育ち世界に放たれていったなどの話も興味深いがクリプトン社の伊藤社長にしている最後のインタビューは文化がいかに育って行くのか、一発屋みたいなヒットカルチャーから豊穣で次世代に繋がって行くものに育て行くかについての姿勢と新しいものは奇跡的なタイミングと出会いによって生まれてくるものだとわかる。
ボカロPたちもただ楽しむために始めたものが広がっていった。初音ミクを開発していた人たちのバックグランドにあったものが与えた影響など本書に書かれていることは「初音ミク」を巡るゼロ年の景色のドキュメンタリーだがこの十年に定番になって音楽シーンを賑やかなものにしている。
柴さんにはぜひ二十年後に起こりうるであろう「フォース・サマー・オブ・ラブ」について書いてほしい。その時二十年前に起きた「初音ミク」からの影響や類似点を挙げてもらってとなると音楽の歴史書のようになるのかもしれない。
Posted by ブクログ
ボーカロイド『初音ミク』が音楽業界、また世界に与えた影響に関して書かれた本。
初音ミクを題材にしたただのイロモノ本としてではなく、丁寧に取材を重ねた新世代の音楽を見つめた本。音楽業界を変えた大きな流れ『サマー・オブ・ラブ』の第三の波として電子音楽の歌姫『初音ミク』を位置づける。2000年代から本格化したインターネットの普及による、情報革命と音楽業界の関係性やアマチュアクリエイターの勃興など、新しい時代の音楽に関しても触れている。過去のヒッピー文化やテクノ音楽が音楽の新たな『遊び場』を人々に提供しブームなり、それが文化になった背景を丁寧に解説する。そして、そのブームと文化の現象と初音ミクの関連性に触れる。著者独自の視点から初音ミクを捉えていて、とても面白かった。
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