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バングラデシュの貧しい女性たちに無担保で融資し、自立を促す「グラミン銀行」。その活動を8年にわたって調べてきた著者が、女性たちの奮闘する様子を活き活きと描く。
【主な内容】
第1章 マイクロクレジットとは何か
第2章 グラミン銀行とは何か
1 グラミン銀行誕生と貧しさの基本的な考え方
2 グラミン銀行の仕組みと女性のかかわり方
第3章 グラミン銀行の活動
1 集会は「私の学校」
2 「私」が所有する家
3 「私」が自由に使えるお金
第4章 フィールド・レポート:また女性たちに会いたくて
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Posted by ブクログ
大学生協で衝動買い。講義中にずっと読んでいました。グラミン銀行はマイクロ・クレジット(貧しい人に少額融資を行い、彼らの生活が成り立つように促す仕組み)を行ってバングラディッシュ貧困を緩和し、総裁のムハマド・ユヌス氏はノーベル平和賞を受賞しています。「クレジットは、基本的な人権である。」「貧困は外部から規定され、人工的・社会的につくり出されたものである。」「貧しい人々が信用に値しないのではなく、既存の銀行が人々に値しないのである。」というグラミン銀行の哲学に感動しました。バングラディッシュには「娘を育てることは隣の家の木に水をやるようなもの」ということわざがあるくらい、女性の教育水準が極端に低いそうです。そのためグラミン銀行の行員が教育指導までして経済的独立を支援していきます。「『自分の名前が書ける』ということは、女性にとって大きな喜びとなり、それが自信につながる。他の誰でもない『私』を自覚するのである。」という記述には複雑な心境にさせられました。
Posted by ブクログ
「グラミン銀行を知っていますか?」
聞いたことはある。バングラデシュにある対貧困層への画期的なシステムだと何かで目にしたけれど、正直なところよくわからない。
気になって手に取って、貧困の解消が人の尊厳にこんなにも結びつくものかと、感動しました。
融資をきっかけに、自分で何かを選び取ることができるようになる、未来に向けて考えることができるようになる、ということは非常に大きなことですね。
そのために毎週集会があり視野を広げ、物事を考える機会を持つことだったり、グループを作って信用力を高める仕組みが確立されていることだったり、つくづく画期的なシステムですね。
施しは命を繋ぐけれど、自尊心を高める役には立たないですものね。
シンプルなグラミン銀行の哲学というのも必見です。
・クレジットは、基本的な人権である。
・人はだれでも、機会さえ与えられれば、よりよい生活をしようとする能力と意欲をもって。いる。
・貧困は外から規定され、人工的・社会的につくり出されたものである。
・貧しい人びとが信用に値しないのではなく、既存の銀行が人びとに値しないのである。
以下、略。
加えて、バングラデシュは男性の権力が著しく高い文化があるようです。貧困層への融資という1点だけでも高いハードルだろうに、女性が外出や買い物をするのすら支障があるような文化圏でよくもこれだけの事業を進めてこれたものだと、容易に「不可能」だと決めつけてしまってはいけないと自戒の念を抱きました。
もちろん、ここには書かれていない課題もあるでしょうし、何より本書自体執筆されたのが10年近く前なのです。状況は当時とは違うかもしれません。
それでも、貧困というレッテルを跳ね除け、いきいきと暮らす女性が世界にいることを知れて、非常に勇気づけられました。
Posted by ブクログ
バングラデシュにある銀行で、通常の銀行では相手にされないような、貧困層や生活困難者に少額から無担保で融資するマイクロクレジットを行う、グラミン銀行を紹介した一冊。
税所篤快さんの『前へ!前へ!前へ!』を拝読して興味をもったので、読んでみた。
グラミン銀行では、貧困層の支援という大きな目的に加えて、女性が一人の人間らしく生活し、社会生活を自分の意思で送れるように支援するという目的ももっている。
バングラデシュでは、古くからの習慣で、お金を稼ぐのも使うのも使い道を決めるのも、女性用品を買うことも男性の役目で、女性はといえば、外出することもなく、親戚が住む家に囲まれた庭?の中で家事をし、子どもを産み育てることが仕事、何をするにも家長である夫の許可が必要な生活を送っている。
グラミン銀行では、土地をもっていない人を対象に融資されることから、ほとんどが女性に対する融資となっており、山羊や鶏のような家畜を飼って乳や卵を売る資金にしたり、ミシンを買って仕立てをしたりと、事業を始める資金を融資し、定期的に貯蓄をする習慣を根付かせている。
無担保であることから、融資を受ける女性は5人のグループを作り、連帯保証ではないが、お互いに助け合い相談できる関係をつくらせている。
また、週に一度の銀行主催の集会を開き、女性が外出できる場面をつくり、時間に遅れず出席する大切さや、親族以外に友人をつくる場として、銀行員も身なりを整えて参加することから、進学すると選べる職業の幅が増えることを示し、子どもへの教育の大切さを教え、清潔にすることで疫病を防ぐ必要性や、みんなで助け合うことで家族を繁栄させることに繋げることなど、貧困層の人々が生活することに追われて、今まで意識していなかったようなことを含めて改革してきた。
豊かな日本に生まれ育ち、人間らしく生活することが当たり前であることへの感謝も生まれたし、海外の貧困層と呼ばれる人たちの生活や意識、習慣は想像を越えていると感じた。
私たちの孫やひ孫の生きる時代、『貧困』という言葉が過去の言葉となるような世界であってほしいが、そこに至るには、貧困層と呼ばれる人たちの意識だけでなく、富裕層と呼ばれる人たち、先進国に住む人たちの意識を変えていく必要があると思う。
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