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日本人は何を食べていたのか。本書は京都・山科家の日記や奈良・興福寺の文書をひもとくことで、中世の公家と僧侶の食生活を再現し、その背景をなす製法の歴史へと接近する。中世から近世にかけて日本酒としてのかたちを整えていく酒。醤(醤油)、味噌、納豆といった大豆発酵食品……。日本の食文化を最も特徴付ける発酵技術と発酵文化の歴史を追い、その原点に迫る。これが日本食の原型だ! (講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
化学、発酵学、日本史の観点から日本人が食べたり、呑んだりしてきたものについての分析と考察。専門的知識が無いと、かなり難解な一冊である。 しかし、15、16世紀にはすでに獣肉を除き、現代の日本人と同じような物を食べ、酒を呑んでいたことには本当に驚かされる。特に、魚や野菜の豊富さ、料理法はおそらく今でも...続きを読む美味しいと感じるものであると推察する。 また、室町時代、戦国時代の公卿はよく酒を呑んでいたことにも驚きである。朝、昼、晩、事あるごとに酒、出掛けるときも酒。同様に、寺の坊主達も色々言い訳を考えては一杯、説法してまた一杯と余念がない。故に、酒造りは発展し、火入れ技術も他国に先んじて生まれ発展したのであろう。 食や酒とは直接関係ないが、貴族と有名な戦国武将達がこれ程に関係が深かったことは知らなかった。特に、戦国武将側から描かれるものひ見てきたが、公卿側からの戦国武将への見方が描かれているは非常に斬新だった。 最後に、やはり狸汁については触れざるを得まい。読んでいるだけで、極めて不味そうである。これを本当に酒のアテとして当時食べたのか? また、日本人の食事は味噌汁やうどんをはじめとして、汁物が多かった。これが、現代のラーメン好きにつながるか? 我々日本人のDNAの中には、やはり汁物好きというものが刷り込まれているのかもしれない。色々想像が尽きない一冊でした。
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吉田元
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