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いかにして「みんなもの」は「わたしのもの」になったのか? 文化人類学の知見から謎に迫る法学との原理的探究!
所有権はいかに誕生し、なぜ必要とされたのか。土地はなぜ「誰か」のものになったのか。
入会権や知的財産権を法としてどう位置付けるべきなのか。明確な土地所有概念をもつ農耕社会、それがあいまいな焼畑農耕社会、土地所有権が存在しない遊牧社会と狩猟採集社会……文化人類学の知見を手がかりに、所有権生成の論理を法律学の観点から分析する。「学術文庫版あとがき」では「消費財所有権」についてもノートを公開している。
所有権は、書かれた歴史が始まる以前に発生した。……したがって、文献等から所有権の発生史を跡づけることは難しい。実証を重んじる研究者達は、法制史的な文献研究によって所有権概念発生の歴史をたどることはおよそ不可能である「不可知」ともいうべき領域には、基本的には立ち入ろうとしなかったのである。
――本書より
本書の原本は、2001年に三省堂より刊行されました。
【目次】
はしがき
第一章 所有権概念の源を求めて――「所有権」誕生前の世界へ…
第二章 土地所有権発生の社会構造
第三章 入会権発生の社会構造――所有、非所有の中間形態としての入会権
第四章 無体財産権発生の社会構造
第五章 「権利」の誕生
エピローグ――社会科学・人文科学の統合のなかから
参考文献一覧
学術文庫版あとがき
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Posted by ブクログ
アメリカインディアン、アイヌ、世界の狩猟採集社会、遊牧社会等の事例を分析し、文化人類学と経済学の視点から、土地所有権や入会権等生成の社会構造を論理的に展開する。きわめて興味深い。
・土地に対する資本の投下と継続的な労働の投下が行われる場合、生産物を最大化するには土地の所有権を確立することが適切。
・狩猟採集社会や遊牧社会では、土地の私的所有という観念は発生しない。前者では狩猟で獲得した獲物、後者では湯朴対象の家畜には所有権が発生。農業社会でも北米インディアン社会のように土地が人口に対し豊穣であれば私的所有にはならない。粗放的焼畑農業社会では、共同体所有や権利の弱い所有権など様々な形態の中間的な権利となる。
・入会権は、生産性が高く私的所有の対象となる土地と生産性が低く無主となる土地の中間に成立する権利であり、政社合一の団体(行政的側面を有する自治的生産・生活共同体)が、コモンズの悲劇を避け、団体の生産・生活を守るため、様々な規制(私的所有を認めない総有、利用規制、私的所有を認めるが譲渡・相続は共同体の構成員に限るなど)をかける様々な中間形態。
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