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小学校・中学校のカリキュラムをいじれば、学ぶ意欲が増し、学力は底上げされるのか? 入試問題や教育関連のデータの分析から、新たな視点で教育問題に対する処方箋を提示する。
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Posted by ブクログ
タイトルだけ見ると、「今どきの大学生はダメだ」というような大学生批判の内容なのかと思う。しかし中身はむしろ今どきの大学生を擁護している。ゆとり教育批判に対する批判や現在の大学入試に対する苦言など、一読するのにふさわしい一冊。
日本型教育制度への真摯で切実な問いかけ。切り口も鋭いし、ほとんどの論考(虐待や援助交際に関してはいただけぬ)が的確に問題の本質を捉えている。しかし、返す返すもうすら寒くなるような内容、多くの示唆を受けた。
大学生が勉強をしない、学力が低下している、と教授らは嘆くが、自分たちが入試制度を変えたり基礎学力をつけるための対策を取ったりしないから、とのこと。 該当世代かどうかはさておき、比較的若い世代がミスしただけで「ゆとり世代が〜」云々と責められることにずっと違和感を感じていた。原因がゆとり教育にあった...続きを読むとしても、その世代に生まれた人に罪はない。また、生まれた世代の人口により、大学入試の難易度は変わる。センター入試など変わったらしいが、合理的で底上げを図るような制度改革はまだ先なんだろうな。
現代の大学生には十分な学力を持たない層が含まれるとかそれ以前の中等教育の話など面白かった。 さてさて、このような現状で大学入試や教育はどのようにあるべきか。
現在の大学入試、ならびに教育のあり方について考えさせられる一冊。 AO入試枠が増えつづける私立大学と、筆記試験の難易度が右肩上がりの国立大学。 「大学で何を学ぶかが大事」なんてきれいごとは、もはや言ってられないレベルにまで、教育格差は広がっている。 現実的な問題点を突きつけるのみでなく、解決策に...続きを読むついても検討していて、現状批判にとどまらない点がすばらしい。
タイトルを見ると安直なゆとり批判の本かと思いきや、大学生およびそれを取り巻く環境の問題点を「ゆとり」の一言で片付けず資料を元にわかりやすく指摘している良本だった。最近の若者の学力が問題なのは「ゆとり世代」だからではなく、少子化・大学増加・AO悪用による「勉強させない環境」にあることがわかった。と同時...続きを読むに日本の教育行政に危機感・末期感・無力感をおぼえた。
本題とは裏腹に大学生を批判する本ではない。むしろ、そういった状況を作り出した大人たちや批判だけし続ける大人たちへの批判をした本。 予備校の先生であるから多くの大学生・高校生を見てきているのだろう。とても明快ではっきりとした批判をしてくれていて気持ち良い。
大学生とは名ばかりの学生を大量に輩出し卒業させている日本。学ばない、基礎学力がないといった状況を高校まで放置し、大学入学させ、卒業までさせている。受験しないなら勉強しなくていい。子どもの頃からの蓄積としての学力。 本人の能力や努力だけの問題ではないし、影響も本人だけではなく社会に及ぶ、という観点で...続きを読むとらえるべきということがわかりました。
Rメモ:160 2009年12月20日初版。 サブタイトルは「日本型教育制度の終焉」。 日本の大学制度への批判と、教育改革の方向性への提言。 小中学校に問題を求める姿勢では学力のない大学生:「名ばかり大学生」はいなくならない。 彼らにとって大学生はアガリであり、そこで勉強する動機はまったくない...続きを読む。 それは社会の側がそういったシステムを作ってしまっているから。 後半に紹介されている東北大学の取り組み:積極的で内容あるオープンキャンパスの事例は非常に興味深い。
この本は、最近の学生の学力低下を統計などを使ってあれやこれやと謳った内容のものではない。 そうではなく、現状をきちんと認識しなぜ学力低下が起きたのかを提示する。もちろんこれはただゆとり教育がだめだ、などという一般論で終始しているわけではない。 この本を読めばいかに現在行われている方策が実態にそぐわ...続きを読むないものであるかわかる。 興味深かったのは、問題であるのは学力論ではなく、大学論である、というところ。 偏差値競争の問題はいったんその競争に脱落してしまったものは生涯勉強しなくなる、ということである。それだけならまだしもそれが子どもに続くからたちが悪い。
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名ばかり大学生~日本型教育制度の終焉~
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河本敏浩
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