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世界最古の冒険叙事詩、『オデュッセイア』。知恵の英雄の奇想天外な放浪の旅路は、なぜひとびとを惹きつけるのか?その奥深い魅力と謎、張り巡らされた仕掛けを読み解く、入門書の決定版。
[目次]
はじめに──長い帰還の物語
◉第一章 オデュッセウスという英雄
盲目の吟遊詩人、ホメロス/ 武力ではなく知恵の英雄/ 語り継がれるトロイ戦争伝承/ゼウスの双子たち/ 争いを招く女神の贈り物/ ギリシア最大の英雄、アキレウスの死/戦争終結と長い凱旋の始まり/ 普遍的な家族の神話/ 妻ペネロペイアと息子テレマコス/ 対比されるさまざまな「家族」
◉第二章 受難の旅と復讐の物語
二四巻の物語/ 旅の始まりと甘美な島/ キュクロプスとの決闘と海神の呪い/ 風の島、人食い巨人の島/ 魔女キルケと冥界下り/ 異形と神による相次ぐ受難/ ニンフの島への漂着/ ついに故郷へ帰還/ イタケ島での父と子の再会/ 求婚者たちを一掃、妻との再会/ ホメロスの超絶技巧
◉第三章 二四書の複雑な語り
二四の書、四一日間の出来事/ 第一書/ 第二書/ 第三書/ 第四書/ 第五書/ 三者の時間の流れ/ 第六書/ 第七書/ 第八書/ 第九書/ 第一〇書/ 第一一書/ 第一二書/ 前半と後半の折り返し/ 第一三書/ 第一四書/ 第一五書/ 第一六書/ 第一七書/ 第一八書/ 第一九書/ 第二〇書/ 第二一書/ 第二二書/ 第二三書/ 第二四書
◉第四章 構成の巧みな仕掛け
構造の妙の四要素/ 1.円環と反復││折り返し構造/『イリアス』の折り返し構造/安定と変化の技法/ 2.時間と空間の同時多元進行/ 噓による異次元効果/ 3.四書ごとのかたまり/ 4.各書内部での折り返し構造/ さまざまな物語手法の元祖
◉第五章 物語としての魅力
主題の魅力/ ネガとポジ──愛人と求婚者たち/ トロイ側の家族/ 帰還後の物語──家族崩壊の危機/『テレゴノス物語』/ 英雄叙事詩にとっての家族/ 危険な冒険の魅力/英雄と武器/ 噓と変装と大逆転劇/ 歴史を越える物語
◉第六章 ギリシアとインドに共通する叙事
『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』の関係/ 共通する話素/『オデュッセイア』と『ナラ王物語』/ 海と陸地に分かれた物語
◉第七章 世界各地への伝播
世界各地への伝播と影響/『アラビアン・ナイト(千一夜物語)』/ 「サイフ・アルムルークとバディーア・アルジャマールの物語」/ 日本への影響──『百合若大臣』/ 『御曹司島渡』/ 中央アジア英雄叙事詩への影響──『デデ・コルクトの書』/「アルパミシュ」/ どのように日本まで伝わったのか
◉第八章 近代以降に見る系譜
近代以降の西洋文学への影響/ デフォー『ロビンソン・クルーソー』/「イムラヴァ」/スウィフト『ガリヴァー旅行記』/ ジョイス『ユリシーズ』/ 近代西洋における『オデュッセイア』の変容/ アーサー・C・クラーク原作+スタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』/ ヴィットリオ・デ・シーカ監督『ひまわり』/ 世界中にインスピレーションを与える
◉補章 現代日本の『オデュッセイア』的物語 沖田瑞穂
1.『オデュッセイア』と『ダンまち』/ 『ダンまち』とは/『ダンまち』のヘスティアと神話のアテナ/ オデュッセウスとベルの「旅」と誘惑/ 終着と自己の確立/ 2.『オデュッセイア』と『十二国記』/ 陽子とオデュッセウスの旅/ 家族への想い/「王位」の回復と獲得/ 3.『無職転生──異世界行ったら本気だす』における家族離散と旅/ 新しい帰属の形を探して
おわりに──世界文学としての『オデュッセイア』
あとがき 沖田瑞穂
参考文献
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