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Posted by ブクログ
世界各地のユダヤの民話が32編、旧約聖書の創世記から6編が収められた民話集。
素朴な民話に始まり、ページを繰るごとにユダヤ教の色合いが深まっていきます。
巻頭の「ふしぎな財布」
貧しい農夫が神さまから財布を授かった。いつも金貨が一枚入っていて、それを取り出すとまたわいてくる。でも、その金貨を使うためには、まず、その財布を川に捨てなければならない。
喜んだ農夫は、毎日一日中金貨を取り出し続け、家に食べものがなくなると隣の家から分けてもらったり物乞いをしたりして凌いでいた。
もう捨てようもう捨てようと思って川岸に立つものの、あともう少し取り出してから、と思い留まるのだった。
農夫は大金持ちとして亡くなった。家には金貨の袋が所狭しと並んでいたが、パンのかけら一つ見当たらなかった。
Posted by ブクログ
世界に散らばる民族のユーモアあふれる物語。
ユダヤ人という民族は、ある種特別な民族である。彼らの考え方や行動原理を知るのは、他の民族同様に語り継がれてきた民話や例え話を読むといい。
相手が動物でも死神でも、なぜかよく出てくる裁判所。そういえばシェイクスピアの「ヴェニスの商人」でも裁判していたと思い出す。グリム童話や他の民話に似た話も時々ある。「ベドウィンの羊」は、最初は「北風と太陽」かと思ったが、落語の「死神」のような要素(残りの寿命がツボの中の油の量)があった。
創世記より、エデンを追放される話が印象的。エデンの園は無垢な者のために。知恵を選び取った人間は、苦労して勤勉に努力して自立を目指す。けれど、そこは創造的で新たな世界。そこで生きるために神が与えた恵みが、苦しさ辛さを流し希望を取り戻すための涙。
世界中に散らばり、約束の地を目指すユダヤ人に、このような物語が語り継がれていることが印象的。エデンの園という楽園にはもう戻れない。外の世界での苦労や悲しみを、神の愛と共に肯定的に捉えられるような物語。
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