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日本最大の陸棲哺乳類であるヒグマは人間にとって大きな脅威である一方で、その存在に強く魅せられ、深く関わり続けてきた人々がいます。本書は、「狩猟」「研究」「文化」などさまざまな分野からヒグマに関わりヒグマの虜になった10人の経験と言葉を伝えるノンフィクション作品です。
――ヒグマと真正面から向き合う人がいる。ハンター、研究者、カメラマン、そしてはるか昔からヒグマと共に暮らしてきたアイヌ民族。彼らはヒグマの危険性を十分に理解しつつもいたずらに怯えることなく、各々の立場からヒグマの真の姿を見つめようと力を注いできた。
中にはヒグマに襲われた人たちもいる。徹底的に戦ったり、逆に無抵抗を貫いたりと対処法は異なるが、共通しているのは彼らがその後もヒグマと関わるのをやめていないことだ。命を失ってもおかしくない恐怖を味わいながら、なぜそんなことが可能なのだろう。それはヒグマが、死の恐怖を凌駕するほどの魅力を持っているからなのか。あるいは、いとも簡単に我々を葬り去ることができるその圧倒的な力こそが、人間を虜にして離さないのか。
(「はじめに」より)
――「クマを追いかけるなら、自分がクマにならなきゃダメさ。まあそれが無理なら、クマの親戚くらいにはならんとな。アハハハ……」
(第2章 早稲田宏一「大都市札幌を守る」より)
――「みんなが口揃えて、共生、共生って言うけどさ。共生っていったい何なんだろうな。アイヌはな、安易にヒグマと共生したつもりにならないことで、逆にバランスをとってきたような気がする。それが、本当の意味での共生なのかもな……」
(4章 秋辺デボ「ヒグマと暮らした男」より)
■内容
【1章 ヒグマと対峙する人】
原田勝男(ハンター)「片目を失って見えたもの」
赤石正男(ハンター)「現役最強のクマ撃ち」
【2章 人間との関係性を考える人】
早稲田宏一(NPO職員)「札幌をヒグマから守る」
浦田 剛(自治体職員)「或るガバメントハンターの苦悩」
山本 牧(ヒグマ対策専門家)「釣り人襲撃ヒグマを追う」
【3章 知られざる素顔に迫る人】
前田菜穂子(飼育員)「ヒグマの母になった女」
青井俊樹 (研究者)「発信機調査の黎明」
新山敏彦(カメラマン)「知床の番屋にて」
【4章 アイヌとキムンカムイ】
秋辺デボ(アイヌ民族)「ヒグマと暮らした男」
大川 勝(アイヌ民族)「キムンカムイの魂を送る」
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