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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 医療経済学の視点から、わが国の医療制度改革の問題点をあぶり出し、改革への道標を示す。「コストの国際比較」「医療費高騰の犯人探し」「医療保険制度の功罪」など、著者の研究データに基づいた医療制度の現状を踏まえ、改革のためにできることは何かを探る。
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Posted by ブクログ
内田樹著書で触れられていて、かつ非常に興味を惹かれたもの。もう10年以上前の著書ということに一抹の不安はあったけど、時代の流れに殆ど左右されない論旨は素晴らしいの一言。中でも、医療費高騰の犯人探しの章で、①高齢化、②医療保険普及、③所得上昇、④医師供給増加、⑤他分野との生産性格差、のどれもが小物って...続きを読むいうのは目からウロコ。それを筆頭に、いかに思い込んでたかっていうのを反省させられる項目がてんこ盛り。加えて構成が良く、最初に纏めが提示されて、その詳細が順に示されるというもの。順番どおりに読んだときは、ちょっと分かりにくい部分もあったけど、最後におさらいのために読み直したら、素晴らしく上手く纏めてあることに気付かされる。改めて紐解くときも、まずここに当たればまず間違いなし。何よりも、本書以降、同様の著作を新たにものされてないってことは、本作がそれだけ風化しない内容ってことの裏返しか。本当に、出合えて良かった本。
米国市場を中心に、医療経済学についての研究や論文の紹介が多くあり、医療経済学の一通りの流れをつかむには最適でお釣りがくる本である。
医療制度も気になる、ということで。 国の医療費高騰は「人口の高齢化」による影響は ほとんどなく、むしろ「医療技術の進歩」が主な 原因である、というのはびっくり。 高度の予防治療はむしろコスト高。経済学的に見れば。 禁煙をすすめると肺がん等が減り「短期的」に 医療費は削減されるが、「早死にを予防」...続きを読むできた人は 長生きすると当然何らかの病気にかかり医療費を 使う上、年金受給の期間も延長し社会全体での支出は 増える。人間の死亡率は「100%」なので。 医療には市場の競争原理はむしろマイナスになることは 米国メディケアが実証している。 医療・教育、こういうものに「市場原理」はむかない。 居酒屋さんががんばってますが。 経済はつくづくトレードオフ(こちらをおせばあちらがひっこむ) であるなぁ、となっとく。というか全てにおいて物事は トレードオフですね。
日本の医学部を出てアメリカの大学で研究を続け助教授になった人の本。先進国の高齢化によって徐々に医療福祉の問題が深刻化しているが、この本を読むとアメリカの現状がひどく日本の医療はまだましだということがよく分かる。一般の報道は医師会=既得権益の温床、アメリカ=市場経済に基づいたより効率的な医療システムと...続きを読むいうものが多い気がするが、この本はそのような固定観念を見事に壊してくれる。経済学の本にありがちな難解な式やグラフのオンパレードではなく分かりやすい言葉で書かれている点も良い。
医療制度改革など、基本的に自分がよくわからない分野のことについて、メディアなどで「こうした方がいい」「こうすべきだ」などという言説に触れると、つい「そういうものなのかな」と思ってしまいがちであるが、筆者はそんな印象論に左右されてしまいがちな事柄を、きちんとした資料に基づいて一つ一つ丁寧に検証する。そ...続きを読むうして、医療制度改革にほんとうに必要な改革は何なのかということを明らかにしてくれる。
医療費の増加の要因は以下の4つのいずれの寄与よりも「医療技術の進歩」の寄与が高いかもしれないとのこと。 ①高齢化 ②医療保険制度の普及 ③医療供給数の増加(医師数増加、医師誘導需要) ④他産業の生産性上昇格差 近年の検査機器や放射線治療機器、ロボット手術機器、新薬(がんの分子標的薬の開発など...続きを読む)の開発などは高齢化による医療費の増加とともに医療費増加の大きな要因であるこは感覚的にも理解できる。 筆者は、予防による医療費増加の抑制は限定的であり、むしろ寿命の延伸による介護費用の増加を指摘している。医療費は、寿命が長かろうが短かろうが、急性期あるいは末期に投入する医療は変わりないことも指摘している。 国策あるいは地方自治体の施策が、筆者が指摘するように、クールにスマートに勧められれば、あたかも健康施策をしていかにも行政ががんばっていることを首相するために税金が投入されるような税金のムダ遣いをしなくて済むのにと思う。
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