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Posted by ブクログ
どこにでもいそうな人たちを描いた短編集。
犯罪に手を染めるような悪人ではないが、善人というほど良いことをしている訳でもなく、ただ日々を生きているふつうの市井の人々の日常が描かれる。
例えば、『故郷に帰ってわかったこと』では、田舎暮らしの難しさ・面倒くささが描かれている。「卒婚」して田舎の実家に帰ってきた50代の女性が主人公なのだが、隣の家のおばさんから「離婚したのか?」とか「夫の退職金はいくらだったのか?」などとプライバシーにガンガン踏み込んでこられて閉口する。しかし、暮らしていくうちに、完全に距離なしの田舎にも、そのコミュニティならではの思いやりや気遣いがあることが分かってくる。
結局、人は1人では生きていけない存在だ。人とコミュニケーションを取るのは時に限りなく面倒で厄介だが、他者によって私たちは生かされ救われている…ということをしみじみと実感させられました。
特に好きだったのは、学校に馴染めないウサギこと宇佐美銀子という小学三年生の少女とその友だちのオオカミこと大神かおるというクラスメイトが帰り道に道草をする『ウサギの道草』、マッチングアプリで金を騙し取られた元期間工がなんでも屋を手伝う『25歳と後期高齢者たち』、とある家を定点観察した『掘り込みガレージのある家』です。
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