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Posted by ブクログ
中学の同級生が書いた本なのだが、素晴らしい。
そりゃ精神科医の権威が描いてるんだから当たり前だろう、というかもしれない。
私は違うと思う。専門家必ずしも名文を書けず、と思ってる。
まず1,2章を読んだ段階で、平易にわかりやすい文章だな、と思う。
それが3章に入ると、その内容に圧倒される。
患者への寄り添い方が半端ではなく、それが読み手にダイレクトに伝わるのだ。
専門家である医者が上から患者を見下ろす、という図式は全くない。
「病名」を告げることの効果とデメリットをしっかり把握したうえで、
患者に接する。というかそもそも「患者」として接してない。
一人の人間として、正面から向き合ってる。便宜上患者というけど。
病名が分かることで今までの生きづらさの原因がわかり安心し、
これからの生き方に前向きになれる患者もいれば、
その病名によって自分の未来を悲観してしまう人もいる。
医者がめざすのは今の病名でなく、これからその患者がどう生きていくかを支援
することにあるのだ。
そのあたりがひしひしと伝わる内容。
素晴らしい本。
しかし、、私が精神科医にこうして考えをめぐらすことができるのも、
発達障害グレーゾーンの人に巡り合ったからだ。
生きづらそうな彼をどうすればいいか、素人なりに考えた。
すぐものを忘れることに対してはシステム手帳を使わせたり、
優先順位を後入れ先出しにすることに対しては、目的を意識させたり。
いろいろ学んで彼が発達障害グレーゾーンであると認識してからは、
アプローチを変え、近眼の人のメガネに当たるものを彼に用意しようと、
報告書がうまく書けないことに対し、AIがチェックする仕組みを作ったり。
私はこれをきっかけにAIにのめりこんだ、、
著者も書いているが、精神的に苦しむ人に、病気とレッテルをはるのでなく、
社会が寄り添うことが大事なのだ。
戦後の高度成長期、工業化社会じゃないんだから、皆が同じことをしなくていいのだ
その人その人に合わせた接し方ができれば、、
と書きつつ、みな自分のことで精いっぱいで、他人のことまで考えられない、
という一面も真実だと思う。
ある意味皆が精神的に苦しんでいるわけで。それこそ程度問題なだけで。
そんな中でどうやって「社会」という目に見えないものが、
特性を持つ人を救うのか。救う余裕があるのか。
難しいところだと思う。
でもそれを目指していかねば、世の中は悲惨なものになるとも思う。
答えはない。
が、なんにしてもこの本は読むべき本だ。同級生だから言うのではない。
何千冊本を読む中で感じたことだ。ぜひに
序章 物語で治すということ
第1章 変わりゆく現代社会とこころの危機
第2章 こころの健康を支える社会とは
第3章 診断社会を問う―「正常」の揺らぎと私たちの選択
第4章 こころの苦悩を物語として捉える
第5章 社会の中の精神医療
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