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紋次郎は夕焼けを眺めながら、峠路を下る。五、六歩行ってから振り返り、唇の中心に移した楊枝に息を集めた。木枯しに似た音とともに、楊枝は吹き矢のように飛んだ。峠路を下る木枯し紋次郎の顔に、表情はない。……人を冷たく引き離しながら、密接に関わってしまう紋次郎。その乾いた心情の底にある人間の温かみ。旅はまだ終わらない。道の先にはどんな風景が……?
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