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Posted by ブクログ
マーケティング計画の出発点:まずは「現在地」を把握する 1. 前提:現在地がわからなければ、目的地への道筋は描けない 多くの企業では、計画的な意思決定に必要な情報を十分に持っていないことがよくあります。 ただし、大企業であれば、たとえ断片的で古いものであっても、何らかのデータを保有しているのが...続きを読む普通です。 今回例示されている運輸企業のように、必要な情報がほとんどないケースは例外的です。 通常、多くの企業は何らかの形で情報を収集しています。 しかし、自社が今どこにいるのかを把握できていなければ、目的地に向かうための道筋を見つけることは困難です。 ⸻ 2. まずは「現在地」を把握する すべてのマーケティング計画や戦略は、まず現在の市場環境を理解することから始まります。 優れた企業は、以下の3つの監査を実施しています。 1. マーケティング・パフォーマンス監査 2. ベストプラクティス・ベンチマーキング監査 3. マーケティング能力監査 呼び方が違っていても、これらはいずれも、いわば**「バックミラーを覗いて現在地を確認する」ためのもの**です。 ⸻ 3. マーケティング・パフォーマンス監査とは マーケティング・パフォーマンス監査とは、マーケティング部門にとっての財務監査のようなものです。 企業の以下の要素を包括的にレビューします。 * マーケティング環境 * 目標 * 戦略 * 活動 この監査の目的は、業務上の強みと弱みを明らかにし、マーケティング計画やプログラムの改善点を提案することです。 マーケティング・パフォーマンス監査では、以下の10項目を評価すべきとされています。 ⸻ 4. マーケティング・パフォーマンス監査で評価すべき10項目 1. 過去1年間にビジネスへ影響を与えた主要な環境変化 過去1年間に、ビジネスに影響を与えた主要な「環境変化」を確認します。 対象となる変化には、以下が含まれます。 * 経済 * 人口動態 * 競争状況 * マーケティング環境 * 技術 * 環境要因 また、予期せぬ競合の動きや市場環境の変化によって、マーケティング施策の成果に影響が出た場合は、それも含めて評価します。 ⸻ 2. マーケティング・ミックスの意思決定が収益性を踏まえて行われたか 以下のようなマーケティング・ミックス上の意思決定について、収益性に関する複数の選択肢を評価したうえで行われたかを確認します。 * ターゲティング * ポジショニング * 価格設定 * 広告 つまり、単なる感覚や慣習ではなく、収益性の観点から選択肢を比較・検討したかどうかを評価します。 ⸻ 3. 主要なマーケティング意思決定を支える調査が実施されたか 主要なマーケティング意思決定を支えるために、どのような調査が実施されたかを確認します。 特に、以下の点を評価します。 * 過去3年間に大規模な市場セグメンテーション調査が行われたか * ターゲティング調査が行われたか * 営業チームが主要ターゲットにアプローチするためのスクリプト作成に向けて、どのような支援が行われたか マーケティング戦略が、調査に基づいて設計されているかどうかが重要になります。 ⸻ 4. マーケティング計画がどのように策定されたか マーケティング計画が、どのようなプロセスで策定されたかを確認します。 特に、経営陣が以下のマーケティング投資と収益との過去の関係性を活用して、戦略や戦術を固めたかを評価します。 * 営業 * 広告 * ダイレクトメール * スポンサーシップ 過去の投資対効果を踏まえて、次の計画が立てられているかがポイントです。 ⸻ 5. マーケティングプログラムが社内で受け入れられたか マーケティングプログラムが、社内でどの程度「マーケティング」されたかを確認します。 評価対象は、主に以下です。 * 経営陣に受け入れられたか * 非マーケティング部門の幹部に理解・支持されたか * 社内で実行に必要な合意形成ができていたか マーケティング施策は、マーケティング部門だけで完結するものではないため、社内浸透度も重要な評価項目です。 ⸻ 6. プランの実行を監視・管理する仕組みが導入されたか マーケティングプランの実行を監視・管理するために、どのようなプログラムが導入されたかを確認します。 単に計画を立てるだけでなく、実行状況をモニタリングし、必要に応じて修正できる仕組みがあったかを評価します。 ⸻ 7. 市場における主要な成功指標に基づく現在のパフォーマンス 企業またはブランドの現在のパフォーマンスを、市場での主要な成功指標に基づいて評価します。 具体的には、以下のような指標です。 * ブランド認知度 * ブランドイメージの各側面 * 購買意欲 * 顧客満足度 * 購入者 * 流通業者 * ベンダーなど さらに、以下に対して、マーケティング・ミックスの各要素がどのように影響しているかも分析に含める必要があります。 * ブランド・エクイティ * 売上 * 利益 * 最終的な投資収益率、ROI ⸻ 8. マーケティング計画が目標を達成したか マーケティング計画が、財務的・非財務的な目標を達成したかどうかを確認します。 財務的目標には、売上・利益・ROIなどが含まれます。 非財務的目標には、ブランド認知、顧客満足度、購買意向、ブランドイメージなどが含まれます。 ⸻ 9. 目標未達部分と翌年への改善提言 計画の中で目標未達となった部分を明らかにします。 そのうえで、翌年のパフォーマンス改善に向けた具体的な提言を行います。 ここでは、単なる反省ではなく、次年度の改善アクションにつながる示唆が求められます。 ⸻ 10. ブランド・エクイティおよびカスタマー・エクイティの価値 製品ポートフォリオ内の各ブランドについて、現在の以下の価値を評価します。 * ブランド・エクイティ * カスタマー・エクイティ つまり、各ブランドがどの程度の資産価値を持っているのか、また顧客基盤としてどれだけの将来価値を持っているのかを把握します。 ⸻ 5. 全体の要点 この内容の核心は、マーケティング戦略を立てる前に、まず自社の「現在地」を正しく把握する必要があるという点です。 特に重要なのは、以下の3点です。 1. 市場環境の変化を把握すること 経済、競争、技術、顧客、流通などの変化が、過去の成果にどう影響したかを見る。 2. マーケティング活動の成果を監査すること 戦略、施策、投資、実行管理、社内浸透、KPI達成状況を体系的にレビューする。 3. 次年度の改善につながる示唆を出すこと 監査は単なる振り返りではなく、翌年のマーケティング計画を改善するための材料にする。 つまり、マーケティング・パフォーマンス監査は、 「過去の活動を振り返り、現在地を確認し、次の戦略をより正確に設計するための診断プロセス」 だと整理できます。 マーケターにとって重要なのは、ある製品カテゴリーにおける「低・中・高関与」の購入者の分布を把握することです。なぜなら、それぞれのタイプには異なるマーケティング戦略が求められるからです。関与度は、セグメンテーションの基準として有効であり、購買行動の予測や収益性の可能性を示す指標となり得ます。しかし、関与度だけをもとに、どのような質問をすべきか、消費者が何を気にするか、どんなセグメンテーション基準を使うべきかを決定するのは適切ではありません。 この議論は、「直感よりも理性を倍じるべきだ」という次のポイントにつながります。市場をどうセグメントすべきかしその最適な方法を事前に知ることは誰にもできません。ヤンケロビッチとミーアも述べているように、セグメンテーションが有効であるためには、「企業の財務パフォーマンスに影響を与えるグループを特定することが必要だ」という条件を満たす必要があります。しかし、行動や収益性を予測する要因が何かを、データを一切収集せず、分析もせずに知ることは不可能です。マーケターは、あらかじめ決められた分類法に頼るのではなく、何百通りもの市場の分け方を検討すべきです。そうすることで、競合他社が存在すら知らないような、情報密度の高い独自のセグメントを構築することができます。これこそが、市場セグメンテーション調査を「棚に飾るだけの報告書」ではなく、戦略的資産に変える方法なのです。 ターゲティングは、マーケティング計画の中でもっとも重要な要素です。 「戦争に勝つには、どこを攻撃すべきかを知らなければならない」と、ドワイト・アイゼンハワーが経営者向けの講演で語ったとしても不思議ではありません。「もし連合軍がノルマンディーではなくカレーに上陸していたら、ナチスを打ち負かすことはできなかっただろう」と。セグメンテーションの取り組みは、企業がどの購買者グループ(あるいは複数のグループ)を狙うことで、長期的に売上と利益を伸ばすことができるかーつまり、ターゲティングの意思決定をくだすための情報を提供するものであるべきです。 このような取り組みは、企業の経営陣に対して、各セグメントがどれほどの価値を持つか、どのようなメッセージを伝えるべきか、そしてそのセグメントの態度的・人口統計的・社会的なプロファイルを明らかにするものであるべきです。そうすることで、広告に登場させる人物像が適切になり、広告のトーンも的確に定まります。そして、「このセグメントに効率的にリーチできるテレビ番組、ラジオ番組、新聞、雑誌、さらには非伝統的なメディアはこれです」と示すことができるようになります。 一方、BtoB向けの製品やサービスの場合、酒費者向けのようなシンジケートデータは存在しません。そのため、マーケターは、組織の規模、成長率、意思決定者の属性などのデータを活用する必要があります。業種分類(SICコード)、工場や施設の屋根面積、売上高、従業員数などの指標を用いてセグメンテーションを行うことも可能です。 市場セグメンテーションは、単に「企業戦略を反映するもの」ではありません。ヤンケロビッチとミーアが主張するように、それは戦略そのものを推進するものなのです。 マーケティングの課題は、ターゲット市場にいるすべての潜在顧客を0~ 100のスケールで評価し、マーケティング施策によって動かせる可能性を数値化することです。片方の極には、何をしても効果がない人々がいます。 もう一方の極には、熱心なファンや口コミによってブランドを広めてくれる人々がいます。したがって、ブランドへの反応性は、直感ではなく測定すべき重要な指標なのです。
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