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医学生・張田雅之は、アルバイト先の店長の招きで、友人の久郷一と共にとある離島を訪れる。店長の父・柏谷高視は大手ゼネコンの会長でもあり、自身が所有するこの島で、親類や知人を招いて年末を過ごすのを習慣にしていた。集まった人々の前で高視が病気で余命幾ばくもないと明かされた翌朝、彼は四肢を切断され、池に浮かべられた死体となって発見される。高視の部下の男も同様に惨殺されていた。屋敷内のすべての通信設備は壊され、船も二日後まではやって来ない。出入り不能の孤島と化した中、猟奇的な事件を調べるために、張田は医学生としての知識を活かしたある提案をする──。『そして誰もいなくなるのか』でセンセーショナルなデビューを飾った著者による、第二長編。
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Posted by ブクログ
おもしろかったよ!!!!
ズルや反則無しの、しっかり本格的なクローズドサークルミステリで、古き良きクローズドサークルミステリとか本格ミステリを愛する人も楽しめる良い作品だと思います。
読み進めれば進めるほど「いいなあ~~」ってわくわくできて本当に楽しかったし、嬉しかった。
探偵役による推理披露パートもしっかりと書かれていて本当に嬉しい。
「そのロジックはここが甘いんじゃないの?」という点も多々でてくるものの、ちゃんとそこは「ここは甘いです」と認めるような発言があったりするところもとてもフェアで好感が持てる。
「ここについてはのちほど説明しますので、一旦保留で」という説明が出てくるたびに、ホワイトボードにメモする書記役になりたいと何度も思いました笑
そういう読み方をしても楽しいんだろうな。
主人公二人の性格の対称さも私はとても面白く読めました。
特に随所で見せてくれる久郷の思わせぶりな言動にこれは伏線か、どういう意図があるのかと何度もわくわくしたり。
なんだかとても私好みでした。
バディものという観点でいえば、いわゆる「探偵役」と「助手役」が固定になっている古き良きバディタイプではなく、
探偵役が二人という感じで、それぞれがそれぞれの理由や異なる熱量で真相を推理するという具合なので、このタイプがはまるかどうかは多少賛否があるのかもしれないけど、私個人としては「こういうバディもいい!!」という感想。
この二人で、また違う事件の作品を読みたいなと思いました。
Posted by ブクログ
医学生の張田雅之は、アルバイト先の店長・柏谷幸男の父が所有する島に招かれ、友人の久郷一と行くのだが…そこで事件は起きた。
冬の孤島の館で起こった猟奇殺人を前にどうなるのか…
屋敷内の通信設備は壊され、船も二日後まではやって来ない。
出入り不能の状態の中で、猟奇殺人後に密室での自殺⁇となれば犯人は…。
医学生の張田が、知識を活かして提案したあることで、上手くいっているように見えたのだが…
閉鎖状態のなか限られた登場人物でイニシアチブを握り事件を誘導してアリバイを証明し、自らが犯人役を用意して自殺に見せかけ殺害することで、事件を完結させる。
誰かがそれをやったのだと、そのことに気づいたのは、彼が臭覚に敏感だったからであり、案外興味無さそうに見えて、観察力や記憶力は確かなものだったとは驚いた。
Posted by ブクログ
医学生の張田はバイト先の知人に招かれ、友人•久郷と共に孤島の館を訪れる。館オーナーの柏谷高視は資産家で、館に親類や知人を招いて年末を過ごすのが恒例行事だった。島に集まった10名の男女。翌朝事件が起きる…
作者の小松立人(こまつ たひと)さんは宮古島市役所に勤めながら小説も執筆する兼業作家。本名は「たちと」だが、「こまったひと」に由来するペンネームにしたそうな。
本書に登場する久郷一もまた「困った人」だ。集合時間に遅刻してボートを漕いで島まで渡るハメになったり、大事件が起きても我関せずのスタンスを貫く自己チューぶり。そんな変人の久郷だが、人並外れた嗅覚の持ち主で、鋭い観察力と洞察力でもって探偵の才覚を現していく。
一方、相方の張田も殺人事件後に大胆な提案をして、医学を発揮して真相に迫る。この二人のかけあいと推理合戦が小気味よく、多重解決の様相を呈す。果たしてどちらが探偵でどちらが助手なのか。
『斜め屋敷…』『時計館…』『そして扉が…』など名作本格ミステリへのリスペクト要素もあって嬉しい。私もこれら三作品全部好きだけど、イチオシは『斜め屋敷』かなー。なんせあのトリックは…ぶっ飛んだ。また、いかにも伏線ぽく某有名古典ミステリが出てきたので犯人はあの人を予想したのだが…大外し(//∇//)
Posted by ブクログ
孤島で館のクローズドサークル殺人。医者とか警察官とかがいい感じに閉じ込められてるあたりで、なんならミステリマニアの登場人物がテンションあがってもおかしくない。
まあ当然予想通りというかベタというか王道な展開の殺人が起きるわけですが。このやりつくされたネタをどう料理するのか。。。既存の作品群に比べて探偵役が何故推理しないのか?というのが結構大きなウェイトを占める作品だと思うんですが、うーん、悪くはないんだけど好みでもない。その推理をしない理由付けがいまいち弱く感じてしまった。自分に火の粉がかからないなら何もしない、というのが徹底されてるとはいえ、異常嗅覚という犯人にとって物凄く都合の悪い能力もってる人間がいたら自分なら早めに始末しようとする・・・というかそう予測したっておかしくないと思うんだけども。
最終的に動機がスルーされるのは別にそんなに気にならないんですが・・・探偵役のキャラクターもあまり好みじゃないから、なんとなく次回作がありそうな雰囲気でもありましたが読むかどうか・・・
Posted by ブクログ
医学生の張田は、バイト先の店長に招かれて、友人の久郷と共にある離島を訪れる。そこは、店長の父である柏谷高視の所有で、家族、友人・知人を招いて年末を過ごすことを習慣にしていた。
到着した日の夕食の席で高視は、自分の余命が半年余りだと告白する。
そして翌朝、高視は、四肢を切断された死体となって、池に浮かべられていた。招かれていた高視の部下も、同様に殺されていた。通信手段も絶たれ、2日後に迎えの船が来るまでは島を出ることもできない。クローズドサークルに島と館。猟奇的殺人。王道とも言えるミステリーだ。
館に招かれた客は、医学生の張田、高視の主治医、警察官、と役者が揃っている。張田の提案で、死亡時刻を割り出すために解剖を行なったのには驚いた。ちょっと前のめりな張田と、どこか達観していてシニカルな印象の久郷は、良いコンビ‥というよりはお互いを牽制し合っているようにも見える。
解剖結果と状況証拠で、張田は犯人を特定するが、ある理由で一線を引いていた久郷が、またある理由により異議を唱える。「自分には関係ないからどうでもいい」→「やっぱり犯人挙げる」の流れが、超自分勝手!そんな自己チューの久郷には、人並外れた嗅覚があり、真相解明に役立っている。しかし、判明した真犯人は自死を遂げた。
久郷が一線をひいていた理由も、真犯人の動機も、常人には理解し難い。
張田は今後も、久郷と友人関係を続けられるのか??曖昧なまま、物語は終わる。これが、タイトル回収なんだろう。
張田が最初に主張した犯人像やトリックは、いや、さすがに‥う〜ん?ていう感じだったし、物語中盤でもう解決?もないだろうし‥。案の定、もう一波乱あるわけで。久郷が推理した内容も、犯人認めてるからそうなんだろうけど、なんとなくしっくりこないというか、モヤモヤが残るというか。真犯人にも久郷にも共感できないからかな‥。
フィクションに突っ込むのは野暮だとわかっているけど、読み終わってから、これってどうなの?と思う箇所がいくつかあって、とにかく読後感がスッキリしない。
シチュエーションと事件の内容は面白かったので、どうだったと聞かれれば、まあまあかな、と答える。
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