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艦底はそのまま「時代の底辺」でもあった。 「戦争」というものを下から、底から、覗いたのだ。 『海軍めしたき物語』で描かれた海上勤務を経て、著者は命からがら帰国。 次の赴任先は「神風特攻隊」で知られる串良航空隊だった。 算盤片手の経理仕事に奔走する日々のなか、次第に戦況は悪化していき、串良にも敵機の影が――。 非戦闘員の著者が見つめた、終戦と「その後」を描く、唯一無二のイラスト・エッセイ集。
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Posted by ブクログ
前巻の「海軍めしたき物語」に続く、面白いノンフィクションです 途中から、一段と面白くなって、より引き込まれて、時間を忘れて読みふけりました しかし面白くとも、ただただワクワクする楽しい読書体験にはなりませんでした 「非常呼集」が掛かったところから、敗戦の空気を感じるのですね そうして、周知のとおり敗...続きを読む戦となるのですが、気持ちが沈んでいきました 負けることの喪失感と無力感を味わえました 切なさすら感じれない程の空しさでした 底の無い虚空へと落ち続けているような悲しさを感じられました だから、どうして戦争が泥沼の様相になってから、長期化するのかが分かった気がしました 負けられない戦いが、国家間の戦争ですから、負けを認められない上層部が、敗戦を受け入れて、白旗を挙げるまでの決断が先送りされ、時間が間延びします そして、神風特攻隊のような作戦が実行されたのも分かった気がします こうまですれば、軍は頑張っていた全力を尽くしていた、と胸を張って過失が少ないと自己正当化するために、やぶれかぶれに奇策に溺れていくのだと思いました 歴史は、過去に起こった出来事の積み重ねですから、大きな有名な事件ほどオチが当たり前の事実になっていて、ネタバレした上で、楽しませるのは作家の腕だと思います 作家の手ほどきでもって、ある地点から区切って、物語の空間に仕立てなおしてもらったことで、読み切れました 面白いノンフィクションなので、戦後80年の今こそ、維新後80年の戦争のことを知るチャンスだと思います オススメです
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