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お嬢様学校へと入学した真面目が取り柄の少女・かすみは、図書館で開いた本に挟まれた1通の手紙を発見する。そこにかかれていた内容は、私とこの本に書かれているような特別な関係になってほしいというものだった。
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Posted by ブクログ
どうやら本作の底には『花物語』という作品の影響があるようで 自分はその作品は全く知らなかったのだけど、本作を読み終わった後に少しウィキ等を見て、『花物語』を好むかすみと”お姉様”との関係に色々と思うところが出来たよ とても好ましく感じ中巻へと読み進めようとした本には手紙が挟んであった、なんて書い...続きを読むてしまうととてもメルヘンチックであり出来すぎた舞台装置であるように感じてしまう面はある しかし、作中でも言及されているけど、電子的な方法によって瞬時の遣り取りが可能な現代において、敢えて時間が掛かる遣り方を選択するのは逆に叙情的と言えるし、それによって通常の遣り取りよりも感情の行き来が際立つ面はあるように思える。というか、現代でも文通している人は居るらしいし ただ、本作において特殊な点は相手と自分の正体を明かさないし探りもしない点か。”お姉様”・”妹”、そのように呼び合う関係性は現実の人間関係に依拠していないが故に勉強ばかりの毎日に対する息抜きを求めていたかすみにマッチしたのだろうね 面白いのはかすみは”お姉様”との文通に夢中に成りつつも、”お姉様”が手紙に混ぜ込まない思惑を何度も推測したり疑ったりする点だね それはかすみの生来の気質がさせる行為だろうけど、低速の遣り取りならではの現象と感じられるね かすみにも現実に面と向かい合って遣り取りする友人は普通にいる。けれど、桃香達に対して”お姉様”相手のように言動の裏を疑ったりしている描写はほぼない。せいぜい桃香が”お姉様”ではないかと疑ったシーンくらいか 口頭での遣り取りなら次々と互いに言葉を交わし合うからその裏を読む余裕なんて無い。けれど、非常にタイムラグがあり、特に自分の言葉が手元に残らず相手の言葉ばかり何度も見てしまう文通は余計に”お姉様”の思惑を考えさせてしまうものとなっているね それは時にストレスに成りかねない要素。それでもかすみが”お姉様”との文通に夢中になるのはそれこそ彼女が求めるものが手紙から得られるからという理由が大きいのかも知れない 姉的な存在、安らぎ、眩しさ。それらは少しずつ自己肯定のような形でかすみの中に降り積もったのかな? だとしたら、あの裏切りは本当に惨たらしいものとしてかすみを殴りつける衝撃としてやってきたのだろうな…… 最初から予防線を張っていれば、もっと相手を疑っていれば そのような後悔は今更だからこそ、余計にかすみを苦しめるもの だというのになぁ……。かすみはそれだけの痛みを背負い、謝罪の手紙を見た際にあれだけの怒りを浮かべた。なのに、再び”お姉様”を待ってしまった。その心情や如何に…… 明かされた意外過ぎる”お姉様”の正体。これで文通は正体の判らぬ同士に拠るものから卒業する。それでもエスの関係は続くのか?逆転状態でも”お姉様”と”妹”の関係は続けられるのか? この時点では物語がどう転ぶか想像もできないだけに、次巻が恐ろしくも有り期待してしまうものでも有り…
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