泡の子

泡の子

小説・文芸
1,760円 (税込)

8pt

【21世紀生まれ初受賞/第48回すばる文学賞受賞作】

危険な小説だった。それでも、ここにある描写が好きだ。――田中慎弥氏(選評より)

新宿駅東口。退廃的で無秩序。
私はこの現実で、彼女のために何ができる――?

『王』と自称する男が捕まった時、七瀬は「あ」と言った。
私は、その幽かな叫び声を隣で聞いた。
ここはつまらない奴らばっかりがいる場所だけど、七瀬だけは違う。
だから、彼女の隣にいても息苦しさは感じなかった。
薬で強制的に引きずり込まれた夢の中でも、七瀬は現れる。
もしかしたら私は、彼女とこの場所に、まだしがみついているのかもしれない。

これは、2007年生まれの若き著者が贈る、
終わってる世界で生きている「私たち」の物語。


【著者略歴】
樋口六華(ひぐち・りっか)
2007年生まれ。茨城県在住。
2024年「泡の子」で第48回すばる文学賞を受賞しデビュー。

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泡の子 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    以前、トー横界隈に強く惹かれたことがあって(あくまで傍観者として)本作に興味を持ち、すばるの誌面に掲載されたものを読んだ。

    七瀬と心中しようとするまでのシーンが良かった。2人の会話と、徐々に強くなる死の匂いが切ない。どうにかして生きてほしい、という願いを超えたところにある諦めともまた違うゆったりとした時間。

    僕がトー横に関心を持った要因がこの小説の中にしっかり閉じ込められている感じがした。破滅的で退廃的な危うさ、今まさに底に落ちている最中であるかのような世界観、それにもかかわらずそこにいる人たちは異常に楽しげで、だからこそ濃くなっている影、あの感じ。

    表現が濃密で、まどろっこしいと感じる部分もあるけど、その中にハッとする文章もある。
    iPhoneに書き溜めていた怒りのメモたちを引っ張り出して使っている、とインタビューで話していて、なるほどと思った。それによってぐちゃぐちゃになっている印象を受けるけど、それはそれでこの物語のテーマには合っているように感じた。

    0
    2026年04月11日

    Posted by ブクログ

    トー横キッズやオーバードーズの世界が、美しく残酷でグロテスクな言葉で語られる。文学的でした。

    読み終わったその日は気分が重くなります。

    0
    2025年06月25日

    Posted by ブクログ

    "終わって"いるとしか思えない、もはやディストピアのようなトー横。現実味が全然ない世界なのに、現実の現代なんだとしか思えなくてグロテスクだった。酒飲んで酔ってODして援交もしてその日暮らしで生きているのか死んでいるのかすらもあやふや。同い年の女の子と一緒にODして自分だけが生き残るのってつらいな。サバイバーズギルト的な。それでも死なない限り生きていく。
    文章は読みやすかったです。

    0
    2025年03月25日

    Posted by ブクログ

    2008年生まれ、17歳ですばる文学賞受賞!

    ドキュメンタリーのようなリアル感があった。
    「蛇にピアス」を読んだ時の、衝撃がよみがえった。

    家庭に恵まれず、環境に恵まれず、
    どこにも居場所のない少年少女たち、
    読んでいて、辛かった。
    かといって、何もできない自分にも腹が立った。

    少子化問題を解決するなら、
    今生きている子たちを、もっともっとサポートしてほしい。
    将来に希望が持てるように、自分を大切にできるように、寄り添ってほしい。
    そして、弱みに付け込む汚い大人たちを近づけないでほしい。

    0
    2025年02月18日

    Posted by ブクログ

    すばる文学賞、21世紀生まれ、初受賞

    という帯の文字につられて。
    著者は受賞当時、高校生だったらしい。

    文章力は素晴らしいと感じた。
    語彙の豊富さ、描写の細やかさや美しさ。
    詩的要素を所々に感じた。
    ただ、強引で人工的に感じる語尾が、それに合っていない感じもした。

    内容は行き場所のない十代の、たどり着いた場所、トー横の終わりの始まりから。
    ドラック&セックスを中心に、どこか既視感も。
    過去のトー横の印象も覚え、主人公自身もその場所の普遍性と、終わりを感じているところが良かった。

    この書きっぷりは女性なら凄いな、と思ったが、著者は男性だったと知り、己の無知を恥じるばかり。
    しかし特に性的描写は、なるほどと得心した部分も。

    次作はどんな物語を書くのか、楽しみな作家です。

    0
    2025年12月28日

    Posted by ブクログ

    2007年生まれ、すばる文学賞受賞時高校生の若い作者。行き場のない若い子のたむろするトー横を舞台とした小説。次の作品も読んでみたいと思う。

    0
    2025年04月25日

    Posted by ブクログ

    作者は2007年生まれというからまだ10代ということか。同年代が描くトー横に彷徨う少女…なんだか内容よりこの様な作品を書ける作者が気になってしょうがない。

    0
    2025年04月20日

    Posted by ブクログ

    通称トー横と呼ばれる一角に集まって来た若者たちの、刹那的でただ死に向かって漂っている様な日々。息が詰まりそうだった。

    0
    2025年04月17日

    Posted by ブクログ

    ちょっと期待しすぎたのかもしれません。
    今時のトー横キッズの話を描いた作品ですが、話が色々飛んでいくので私には時系列が分かりにくかったです。ラストも少し分かりにくかったかな?読解力がなかっただけもしれませんが…

    0
    2025年02月16日

    Posted by ブクログ

    こういう世界に踏みいったことがないので
    とても恐ろしい話だと思った
    なんでこんなに淡々と怒ってられるのか
    末恐ろしい作者だと思う
    ただ
    これは今のこの人だから書けたんだろうな
    おっさんおばさんになったら
    きっと書けない
    そしてわかってたことが
    わからなくなって
    わからなかったことがわかるようになって
    そんな大人になった時のこの人の本を
    また読んでみたいなと思わせる
    そんな本だった

    めちゃくちゃスゲェと思うけど
    好みではないので
    星は3つ

    0
    2025年02月06日

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