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刀社会の日本で刀匠を志す少年チヒロは、伝説の刀匠である父・六平国重(ろくひら くにしげ)の下で日々修行に励んでいました。
おちゃらけた父と寡黙な息子。穏やかな日々がいつまでも続くと思っていましたが、悲劇によって突然終わりを迎えます。
38か月後、そこには父を殺された復讐と奪われた妖刀を取り戻すべく剣士となったチヒロの姿がありました。
父とも仲の良かった柴(しば)と共に、父の仇である妖術師の集団・毘灼(ひしゃく)の情報を求めて戦いに明け暮れる日々。
そんなある日、護衛を探していた少女シャルと出会います。
彼女はなんと奪われた妖刀の1本を見たと言っており…。
復讐のため死と隣り合わせの生活をするチヒロ。
クールな彼と対照的に、柴はかなりおちゃらけた性格の持ち主。
不思議な体質のシャルちゃんにも、読みながら思わずツッコミを入れたくなる。
暗めなテーマの物語ですが、重苦しく感じさせないのはそういったキャラクターの魅力にあると思います。
戦闘シーンも、刀を用いたバトルに加え不思議な妖術や妖刀ならではの表現もあり、迫力満点です!!
妖刀の太刀筋が、国重が大切に飼っていた金魚の姿を模しているところは必見。
敵の妖術師の能力も個性的で斬新です。
戦闘シーンはどの構図もカッコイイ!!
ストーリーの面白さはもちろんのこと、キャラクター、絵柄すべてが魅力的。
物語全体を覆う死の影、しかしどこかコミカル。そんなアンバランスさに惹かれます。
早く次を!!そう思わせられた作品でした。
Posted by ブクログ
《第17話 茶》この回のセンスが凄すぎる。2巻はこの17話のための一冊と言っても過言ではないかも知れない。
まず、この回に向けてチヒロ・双城互いに死力を尽くしつつもなかなか決着がつかずに読者もそろそろフラストレーションが溜まってきた頃合いに、「12秒」(p166)という決着までのカウントダウンが突如示され、緊張が高まったところでなぜか二人が茶をしばき始めるという緩急が凄いよね。そして12秒を2話に引き延ばしたりせずにキチっと決着を描きつつ双方の妖刀との向き合い方をしっかりと語らせて作品理解まで深まるという、あまりにも完璧だと思いました。
チヒロが双城の信念である妖刀は「殺戮兵器」(p171)だという主張を‘受容れて呑み込む’という表現を、‘双城に薦められた団子を喰う’という描写に仕立てているのがすっごくオシャレ。主義主張を叫ぶタイプの主人公じゃないけれど六平チヒロは紛れもなく主人公たる器を持ったキャラクターなんだと好きになりました。
で、この巻でもうひとつ重要な回が《第14話 本領》だと思う。双城がチヒロに勝てなかった僅差は闘う姿勢に「固執」(p122)したからだと思う。双城は確かに戦闘センスに優れた実力者だったけど「こうなっちゃう」(p121)所があったから一歩及ばなかったのではなかろうか。六平父子の会話が凄くいい。あと「涅・千」がすごくかっこいい。
また、この巻の隠れたMVPは双城が立ち寄った銭湯「鵜飼湯」の《番台のババア》だと思う。普通に刳雲を貴重品として預ける双城も凄いが、刀を足元の棚にタオルとかと一緒に無造作にしまっていたこの人も大概だと思う。というか、双城はスッポンポンでどうやってヤクザ達をいわしたのだろう。徒手空拳?
全体的にめちゃ面白かった!今度から人混みを歩く時は心の中で「錦」とつぶやくようにします。
ラストで「神奈備の最高戦力」(p207)なるキャラクターが登場。
次巻へつづく。
12刷
2026.9.13
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