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ありふれた放課後の隙間、ティーンズの眺める曖昧な世界――。実写映画化もされた、五十嵐藍が描きだす大人気オムニバスシリーズが、ついに完結!雑誌「アオハル」に掲載された、短編2篇も収録。
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Posted by ブクログ
浮遊感・断片的な日常・少年/少女にしか見えない世界の果て……本文からは抽象的というよりは表層的な匂いが漂う。漫画的というよりは文芸的な雰囲気の作品だった。折を見て再度1巻から通読して再解釈してみたい。
『放課後ロスト』の予習で読んだ。 「放課後」、「ブルーアイズ・ヘキサ」、「レコードの暗号」、「ゴミ捨て場の通信」、「アスファルトワールド」、「休み時間の10分(#1)」、「一人遊び A」、「一人遊び B」、「ステレオタイプ」、「透明なデカダンス」、「エンドオブザワールド」、「ピアノ」...続きを読む、「worldgaze clips / kaleidogazer」の全13編からなるオムニバス。 前巻に続き、映画版とは繋がりのない最終巻。 正直、あまりにも各々の作品が短く、語りきれてない印象を受けるものも多かったりで、良くも悪くも散文的な作品ではある。 個人的に好きだったのは男子学生とレコード屋の女性店員がレコードの並びでやりとりする「レコードの暗号」と、ゴミ捨て場の通信機で見ず知らずの誰かと会話をする学生の「ゴミ捨て場の通信」。 それ以外のエピソードはそこまで印象には残ってないけれど、それすらも愛おしく感じさせる最後のエピソード「worldgaze clips / kaleidogazer」に圧倒される。 異なる物語を1冊の単行本としてまとめた時に世界観が立ち上がる。 それこそが作者の意図した方向性だと思うのだが、「worldgaze clips / kaleidogazer」はその最もたるものだった。 "kaleidogazer"という言葉は調べても出てこず、おそらく造語だとは思うのだが、どういう意味なのか。 調べたところ、"kaleido"に関しては、ギリシャ語でkalosが「美しい」、eldosは「形」を指すことから、転じて「変幻極まりない」という意味。 "gazer"は、英語で"じっと見つめるもの"とのことで、「美しい形(あるいは変幻極まりないもの)をじっと見つめるもの」といったところだろうか。 「worldgaze clips / kaleidogazer」は前半で1,2巻、後半で3,4巻のハイライトが描かれており、作者の中では、3,4巻は「カレイドゲイザー」という夜をテーマにしたまとまりとして捉えているのかもしれないと思った。 全4巻を通して、読み手として汲み取りきれない部分はあったものの、各巻のまとめ方には感動した。 この収穫があっただけでも、読む価値のある短編集だった。
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