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Posted by ブクログ
『しかしそれを見てもなお、目の前の道を右に進むのか左に進むのかがわからない。現実の風景と地図が、脳内でうまく照合されないのだ。わからないので、いちかばちか勘で歩きだす。 地図上の青丸が思いどおりの方向に動けば「よかった、こっちで合ってた!」と安堵し、反対側に動けば「違った!」と戻る。この高度に文明が発達した現代において、実際に歩いてみるという非常に原始的な手段でしか方向を確認できない』―『はじめまして』
北1条と南1条の真ん中が大通りであることを知らない札幌市民がいるというのもにわかには信じ難いけれど、大通り西17丁目にある店が地下鉄東西線の西18丁目駅の近くにあることが直ぐに判らないというのだから、この著者の都市空間を把握するものさしは普通の座標系とは違うらしい。本当に「山では迷わない」のだろうか、と思わず疑いたくなってしまう。
自分自身を方向音痴だと思ったことはないけれど、空間内の位置を固定した基準点で覚えていくタイプではないとは自覚している。つまり「あのガソリンスタンドのある交差点で喫茶店を右に見ながら右折して、それから~」という具合に道順を覚える癖がなかった、ということ。過去形にしたのはカーナビに頼るようになってから(特に、地図を北向きに固定しないようになってから)徐々に「パン屋が見えたら左折」という「情報」を処理して移動するようになってしまったから。カーナビや地図アプリなんてない子供の頃は「学校はこっちの方向」と感覚に従って適当なところで曲がったり直進したりして歩いていた。なので移り住んだ札幌の街は、行き止まりや不規則に曲がる路の多い地元よりも快適だった記憶がある。
その「大体こっちの方向」的感覚が上手くいかないことを思い知らされたのは地質測量学演習を受けた時。山の中で地図と方位磁石(正確にはクリノメーター)だけで現在地を知るには、地図上の複数の基準点を正確に把握しながら移動することが重要であることを学んだから。「この川の分岐の方角と、さっき確認した地点からの距離から考えて今はここ」と地図の上の点を示せないと、折角の測定データが無意味になるばかりか、最悪の場合、山で道に迷ってしまう。調査は沢に沿って行うのだけれど、現在地が解らなくなったら見通しの良い尾根に上がり、幾つかの目印の方向から今居る位置を特定しなければならない。もちろん何度も苦労して尾根に上がった経験がある。その記憶の為か、もう調査に行かなくなって何十年も経つのに、いまだに知らない場所では複歩で距離をはかっていることもある位、地図上の位置を把握するというのはあの時に身体に叩き込まれた。
だから余計に著者が山で迷わないというのが信じられないのだが、よく著者の話を聞けば、なんのことはない、結局目印となるものを辿ることは出来ているのだ。つまり山でも街でも、分岐となる場所が地図上の何処にあるかを正確に知らなくても、目印となる分岐から分岐への順番さえきちんと記憶していれば、迷わないのだ(登山地図のルートを直線で覚えるようなイメージか)。それができるのなら、後はそれらの目印の相対的な関係を理解するだけなのだが、何しろ大通りが北1条と南1条の間にあることを理解していない空間認識。そこが大きなハードルなのだな。
なんて偉そうに言っているけど、地下鉄の改札口を出て地上に上がるまでに何度も階段の踊り場で進行方向を変えていると、地上に出た時、どっちを向いているのか迷うことはある。土地勘がなくて目印となる建物などが無い場合、取り敢えず地図アプリを開いて歩きだしてみるっていうのは、自分もやるんだけども。見通しの良い尾根(=建物)に上がるよりはずっと簡単だし。
Posted by ブクログ
自分は若干方向音痴であり、共感できるところも多々あった。方向感覚というのは人によって異なり頻繁に現在地確認、方角を意識する、地図を思い描くなどの少しの工夫で、何もしないよりは克服される。ただ、方向音痴を絶対治さないといけないそんなことは無いと思わされた。方向音痴だからこそたどり着ける場所、新発見などがありそのままでも街歩きを楽しめる。
方向音痴は空間的なイメージ操作が不得意
地図のように上から見た街をイメージ
地図と現実照合のため、2つ以上目印きめる
地図の上に立つイメージ
初めに全体像をみる
Yahooマップ駅の構内も分かる
Waaaaay!は遠回り、コンパスと距離わかる
ただ歩くだけでなく、その町の地形や歴史を想像しながら歩くと楽しい、すり鉢地形や、暗渠など元はこうだったと想像
また、高台には1番有名な神社があるとか
Posted by ブクログ
私も方向音痴だから、はじめの「あるある」はすべて当てはまった。
読んで思ったのは、方向音痴も運動神経や音感やその他もろもろの才能と同じで、生まれつき優れている人と全くダメな人とがおり、その間の人もたくさんいるということ。
そして、方向音痴って、いいものだなと。
なぜかと言うと、他の感覚や才能と違ってひどいコンプレックスにはならないから。私は運動神経も極めて悪いので、小学校から高校まで体育というのが心の底から嫌いだったし、球技などで感じる惨めさ情けなさといったら、本当にそのまま学校から走って逃げてどこかに消え去りたいくらいだった。
しかし、方向音痴は困ることはあっても、そこまで自己肯定感を損なうようなことはない。
初めての場所に行くときは緊張するし、それが目上の人との待ち合わせの場合は本当に焦るが、あらかじめ予習し、かなりの余裕を持って出発し、ちょっと進んでは地図を確認し、本当に分からなくなったら人に尋ねることで乗りきってきた。
そういう緊張を伴わない一人歩きの場合は、迷うことも楽しむことにしている。(おんなじところをぐるぐる回ってヘトヘトになることもあるが。)
治安の良くない外国だと迷っているのをさとられるのもマズい、とかあるが、国内の場合は一人なら安心して迷える。
この本は『虫ぎらいはなおるかな?』と同じで、方向音痴の著者が認知科学者や地図研究者など様々なプロに、方向認識のコツを教わるというもの。
東京スリバチ学会会長の皆川典久さんのお話がブラタモリ的で大変楽しく、この地図を持って同じ道を歩こうと決意したほどだった。
地名の由来を語る今尾恵介さんのお話も面白かった。
方向音痴に関しては、スマホを回転させるとGoogleマップも回転するのにイライラしていたのだが、固定できると分かったのが良かった。あと、やっぱり紙の地図はいいということも。
これを読んで、私も努力次第で少しはましになる気がした。
楽しい本だった。
Posted by ブクログ
この本、どうして知ったのか?すっかり忘れてしまったのだけど、「方向音痴って、なおるんですか?」と言うタイトルと「グーグルマップを使っても迷子になってしまうあなたへ」と言う帯に惹かれて購入したことは間違いない。
もう、仕事で初めての場所に行かなくてはいけない時に困ったこと数知れず、飲み会の場所に辿り着けず上司・先輩を待たせて焦ったこと数知れず。もしこれが治せるんだったら、そんな嬉しいことは無い。
著者は「はじめまして」でこう書いています。
『方向音痴を代表して、方向音痴じゃない人にいいたいことがある。方向音痴じゃない人はよく「道に迷う?グーグルマップ見ればいいじゃん」とこともなげに言い放つ。・・・・・見てないとでも?私だって現代人だ、文明の利器グーグルマップは当然見ている。見ても迷うから困っているのだ。方向音痴は、グーグルマップを見ても最初の一歩をどちらに進むべきかわからない。/わからないので、いちかばちか勘で歩き出す。地図上の青丸が思いどおりの方向に動けば「よかった、こっちで合ってた!」と安堵し、反対側に動けば「違った!」と戻る』『方向音痴じゃない人は「じゃあナビ機能を使えば?」と言うだろう。しかし、私はナビ機能を使っても最初の一歩が分からない。なぜなら、ナビは方角で指示してくるからだ。「南に進む」と言われても、こちとら南がどっちか分からない』『また最大の難関は駅だ』
・・・・・本当にこのままです。
最初に自分の方向音痴について知るために、著者は、まず池袋でマップアプリのナビ機能を使い、次に曳舟で紙の地図を使い、編集者が指定したカフェに行ってみる。池袋では徒歩10分のところ40分かかったが、曳舟では案外すんなりと到着する。
そこで分かったいくつかの問題を専門家にぶつけていく。
認知科学者に脳のしくみを聞くだけでなく、地図を知るために空想地図作家の元を訪れたり、地形や地名に詳しい専門家の元を訪れる。単純に、脳の機能上の得意不得意を知るだけじゃなく、別のアプリを試してみてくれたり、具体的でありがたい。そして、地図マニアでも道に迷うのかと言う視点も面白いし、方向音痴の解決になったのかは別として、地形や地名についてなども、読み物としても十分面白かった。
さて、一通り読んで、私なりになるほど、と思ったのは、地図を読める人でも、初めての場所に行くときは地図を事前に見て、経路をシミュレーションしていたこと。何を当たり前のことを、と言われてしまうのかもしれないのだが、意外とこれが、地図を読めない人は、やってるつもりで出来ていないのではないか。
著者が料理にたとえて、手順を1から順にこなすのではなくて、一通り作り方を先に目を通して、出来上がりや次の工程を想像しながらやった方が効率的、と言うようなことを言っている。
料理は一応するので、これは当たり前だよね、出来上がりやざっくりとした手順知らないと、途中で”まぜておいた〇〇と〇〇を入れる”とか普通にあるじゃん、その間に焦げちゃうよ!と思うのに、なぜか、方向感覚がなく地図が読めないくせに、シミュレーションできていない、大体の方向の見当もついていない状態でナビで歩き出しちゃってるのだ。
駅の出口・乗り換え分からない問題は、私の中ではまだまだ課題だけど、
・事前に経路を大まかにでも把握しておく
・グーグルマップが動かないように固定しておく
・ナビよりは普通のマップ機能の方が良いかも
・ナビの現地点はズレてることもあると認識しておく
・迷う地点での目印は2箇所以上
これだけでも、結構変わるのかも!
ただし、著者が何度もトライしながら、少しずつ分かってきている様子を読むと、気を付けるべき点を知っても、すぐ改善されるわけではないのだろう。
しかし、せめて駅徒歩10分の場所に行く時に、駅に3,40分前に着いておかなくちゃいけないのが少しでも改善されるなら、試してみる価値はありだ。
Posted by ブクログ
天性の方向音痴の筆者、果たしてこの企画を通じて克服できるのか?Webさんたつに連載されたコラム。
方向音痴を克服するための専門家のメンツが凄い。さすがさんたつ(散歩の達人)。認知科学者の新垣紀子さんは存じ上げなかったが、空想地図作家今泉隆行さん、東京スリバチ学会長皆川典久さん、地図研究家今尾恵介さん。こんなレジェンドたちに方向音痴克服のため対談や散歩。
最終的に克服と言うより開き直り、街歩きを楽しむ方向に進むところが何よりさんたつ的なハッピーエンド。
方向音痴でない自分には筆者の苦労はあまり理解できないが、その後のレジェンドたちの指導に嫉妬しつつ、楽しく読むことができました。
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ビジネス・実用
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