THE LAST GIRL ―イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―

THE LAST GIRL ―イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―

小説・文芸
1,980円 (税込)

9pt

イラク北部にあるコーチョという小さな村。少数派の宗教、ヤズィディ教徒たちが貧しいながらも日々を平和に暮らしていた。
しかし、忍び寄る紛争の影が、平和を少しずつむしばんでいく。
そしてついにあの日、イスラム国の一群による襲撃が行われた。そして待っていたのは、
自分のすべてを踏みにじられる、性奴隷としての地獄の日々だった――

戦争犯罪の被害者として、「武器としての性暴力」の実態の告発と根絶を訴え続けた著者が、筆舌に尽くしがたい自らの体験を、圧倒的な臨場感で語る。
イスラム国による他教徒への虐殺や性暴力・暴力の実態とは。
彼女が決死の覚悟で逃れ、イスラム国支配地域の現状を世界に向けて発信するまでに、彼女を支えた人々とは。

今、世界でもっとも注目されるノーベル賞平和賞受賞者の自伝、ついに翻訳刊行。

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THE LAST GIRL ―イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語― のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    アフガニスタンとイスラム国の問題がホットニュースで流れる中、なぜ多くの国民が自国アフガニスタンを離れようとするのか。イスラム国とは何か。本書は、イラク北部にあるコーチョという小さな村に生まれ育った、女性ナディアの衝撃の体験を綴った作品である。少数派の宗教、ヤズディー教徒達が、貧しいながらも平和な日々を暮らしていた。しかし、湾岸戦争やイラク戦争の戦後処理の民族・宗教対立の中で、平和な生活を少しずつ蝕み、ついにイスラム国の一軍による襲撃が始まり、家族はばらばらとなり、青年男性達は銃で処刑されるジェノサイド。若い女性は拉致され、人身売買、性奴隷として凌辱され、兵士達に輪姦される。著者ナディアも繰り返し身体的暴力と性奴隷の中で、偶然にも逃亡に成功し、奇跡的に良心的イラク家族によって、兄の元に逃げ切り、そして犠牲になった同じ民族達の救助に奔走し、世界に告発し、2018年ノーベル平和賞を受賞する。世界でも日本でも、そしてスラム系勢力の男尊女卑、家父長制、ミソジニー(女性蔑視)を自身の体験を元に、丹念に告発するが、著者の勇気と行動力に敬意を表したい。
    個人的にではあるが、アジア・太平洋戦争史を学ぶ中で、日本軍の蛮行である戦時性暴力と全く同じ構図が世界に未だに続いていることに、大きな嘆きを禁じ得ない。

    0
    2021年08月29日

    Posted by ブクログ

    イラク北部にある小さな村・コーチョ
    少数派のヤズィディ教徒たちがつつましく平和に暮らす村
    ある日の突然のISISによる襲撃。
    略奪と破壊、そしてジェノサイド(集団殺戮)と女性の人身売買
    しかしそのニュースは世界に報道されることはなかった…

    この本は、そんな恐ろしい体験をし、それでも自分の体験を世界に語ることで、こんな体験をする女性を「最後の一人」にしたいと活動するナディア・ムラドさんのノンフィクション

    あまりの残酷さになかなか読み進むことができなかった
    ページをめくるたびに様々なことを考えさせれ
    女性として悲しみと憤りを感じ、
    都合のいいことばかり唱えるイスラム国に怒りを感じた。
    ISISでは占領した土地に住む女性を性奴隷(サビーヤ)として売買、または贈り物として扱うことができる…
    そんなことを認める神様なんて絶対にいない!!

    ISISだとか、イラクだとかシリアだとかクルディスタンだとかニュースでは聞くけど、日本に住む私たちにとっては「どこか別の国の戦争」というような感じで見ているのではないだろうか?
    恥ずかしながら、私はそうでした
    こんなひどいことが2000年になっても
    まだ起こっている…
    そしてそれを知らない人が私を含め、多すぎる…

    著者のナディアさんは自分自身が受けたひどいできごとを世界に発信しつつイスラム国を大量虐殺と人道に反する罪で国際刑事裁判所の法廷に立たせるために現在も活動している。(2018年にはノーベル平和賞を受賞)

    もし私がナディアさんのような過酷なできごとを体験したら…勇気をもって行動できるだろうか?

    女性として本当に勇気がいる活動だと思う。
    そして、彼女の戦いは今も続いている。

    世界中が彼女の戦いを知ること
    ISISが一体どういうことをしてきたのか…
    知るということが戦うことの一歩になる

    小さな声でも訴え続ける…
    勇気をもって立ち向かう…
    戦う一歩は小さくとも
    それは大きなムーブメントにつながると信じたい

    0
    2020年10月31日

    Posted by ブクログ

    壮絶、凄惨。

    宗教が暴力の正当性に利用され、
    女性はここでも弱者であり、

    これまでの紛争でも、証言していないだけて、こういう行為は起きていたのかもしれない。

    この読後感を適切に表す日本語が出てこない。

    ただただ、衝撃である。
    無知であることは、なんと罪深いことか。

    0
    2020年07月07日

    Posted by ブクログ

    ※評価できない本

    現実に起きたことだと思うと、心が痛すぎてたまらない。

    善人でいたい。誠実でいたい。

    ナディアムラドさんは戦った。それは、正しいことだと言える。

    0
    2020年06月29日

    Posted by ブクログ

    衝撃的な内容だった

    ヤズィディ教という宗教マイノリティの教徒というだけで、成人男性は殺害し、女性は奴隷のように虐げられレイプし続けたISIS
    これが2014年のイラクで実際起こった、いまも問題として残っている事実

    アメリカに蹂躙された多民族国家イラクにおいて、反帝国主義としてイスラム教からISISのような存在が生まれることは理解できる、フセイン時代の権力者が再び国を治めようと企むのはわかりやすいけど、ISISはただ街を荒廃させ同じ民族を恐怖で封じ込めようとした

    ISISもイスラム教の教義に従っているというのが腹立たしい、アッラーの名の下に人を殺して街を破壊するなんて

    大家族で育ったナディアは6人の兄をはじめ、多数の仲間を殺され、自身も人間の尊厳を奪われる残酷な日々を生き抜いた

    よく自殺しなかったと思う
    なんのために生きてるのかわからなかっただろうけど、それはヤズィディ教徒として大天使タウセ・メレクに忠誠を誓ったから

    ISISの帝国主義と他民族に対する憎悪、ヤズィディ教徒の仲間を奪ったISISへの憎悪…

    自分だったらどうするか考えさせられる、果たしてナディアやナディアを助けた人たちのように悪に耐え正義を行えるだろうか

    平和や平等は当たり前じゃない

    0
    2020年06月19日

    Posted by ブクログ

    原作で呼んだ。
    ISのリサーチをした時にナディアムラドさんの存在を知りこの本をNobel Prize Museumで買えたのは本当に幸せだった。あまりにも凄まじい彼女の人生。人間の最も卑劣な面と最も尊い面の両側面がきちんと描かれている。でもこれは台本ではなくてノンフィクション。彼女の人生なんだ。先進国の利益にならない地域におけるMinorityの劣悪な実態にスポットライトはあたらない。だからこそ1人でも多くの人がこの本を手に取り、この本に書かれているような地獄絵図が日常と化した世界が存在していることを知ってほしい。

    0
    2020年05月05日

    Posted by ブクログ

    ★の数で評価をすることにいつもより大きい抵抗感を持ちながらも、できるだけ多くの人に読んでもらえるかもしれないという思いで5つつけました。ナディア個人が遭ってしまった残忍で理不尽な体験について書かれているだけでなく、その出来事がISISやその他の様々なグループがせめぎあっているイラクにおいてどういうパワーバランス・政治地図・地理的歴史的背景に基づき起ったのか(起こっているのか)、ということの解説にもかなりページが割かれていたので、信仰や宗教心についてゆるやかな認識と経験しか持っていない日本人読者である私にとってもいくばくか状況が想像できる気がしました。長く続いてきた小さく密度の濃いコミュニティの伝統というか価値観について、そのコミュニティの外の人間が良い悪い・古い新しいという判断を勝手にすることは余計なお世話というか失礼なことと自覚しつつ、ヤズィディ教聖地の指導者である男性が形式ではなく本質を志向しようと努め、「自らの意志に反してそうされてしまっただけなのであるから(本来の信仰からすると逸脱してしまった存在になってしまった)彼女らを我々はヤズィディ教の信者として受け入れる」という旨を、公式な見解として出したことが分かって、良かったと思いました。ナディア本人は自らの意志に反してされたことではあるけれどヤズィディ教の教義信義を外れてしまったので、脱走して生き延びだけれどもヤズィディ教のコミュニティに受け入れられなかったとしても仕方がないと書いていましたし、これはなかなかすごいことなのだろうと想像しました。うまくまとめられませんが、多くの人に読まれることを願います。

    0
    2019年12月24日

    Posted by ブクログ

    THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―。ナディア・ムラド先生の著書。2018年にノーベル平和賞を受賞されたナディア・ムラド先生の実体験を綴った一冊。罪のない一般市民に対してこれほどまでに残虐で傲慢、傍若無人な振る舞いをイスラム国兵士たちへの怒りを覚えるし、イスラム国が一日も早く壊滅されることを願います。ノーベル平和賞の名にふさわしい一冊。

    0
    2019年05月23日

    Posted by ブクログ

    金額¥1,800 413頁のギュッと濃い内容の一冊です
    読む前から、きっと読んでも気持ちの良い本であるはずがない事はわかっていました
    そしていざ読んでみるとやはり気持ちの良い本ではありませんでした
    少しずつ少しずつ澱のように鉛のような重たいものが心の中に沈殿していくような、何かが少しずつ腐敗して嫌な臭いを放ってくるようなそんな本です
    しかしそれが実際に世界のどこかで起きた出来事であり、力の弱い女性や子供、マイノリティの宗教を弾圧して良い理由にはならないことを認識しなくてはいけないと思わせる力を持った本です
    世界中で起きている悲惨な出来事の被害者を著者であるナディア・ムラド氏が最後の女性-LAST GIRL-になりますように祈ります

    0
    2019年05月20日

    Posted by ブクログ

    全く知らなかったヤズィディ教徒たちに降りかかったイスラム国の非道.そこから逃れて声をあげたナディアの勇気に感動しました.第1章,危険をはらみながらも,小さな村で大家族が笑いあって暮らす幸せに,次の第2章を読んでその喪失に言葉もありません.そして彼女を助けたナーシル達も本当の勇者です.みんなに読んでほしい本です.

    0
    2019年05月02日

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