特殊清掃 死体と向き合った男の20年の記録

特殊清掃 死体と向き合った男の20年の記録

1,760円 (税込)

8pt

「特殊清掃」とは、遺体痕処理から不用品撤去・遺品処理・ゴミ部屋清掃・消臭・消毒・害虫駆除まで行う作業のこと。通常の清掃業者では対応できない特殊な清掃業務をメインに活動している。

孤立死や自殺が増え続ける、この時代。その凄惨な現場の後始末をするなかで著者が見た「死」と、その向こう側に見えてくる「生」のさまざまな形は、読者を不思議な感動に誘う。

「特殊清掃」
今はいろいろなところで使われている言葉だが、もとは私の会社がつくった造語。そして、当社は、この特殊清掃の先駆企業である。

仕事の内容は、人間遺体・動物死骸・糞尿・山積ゴミなどに関係する特殊な汚染汚損を処理するというもの。
凄惨な現場に遭遇することや過酷な作業を強いられることも多く、陽の目をみることが少ない汚仕事である。

「特掃隊長」
この呼称は、本書のもとになったブログの運営管理を担っている管理人(同僚)が命名したもの。
会社組織上の肩書でも、実社会でのニックネームでもなく、あくまで、ブログ上での呼称。
そんな特掃隊長は、自分が喜んでいるほど善い人間ではないだろうけれど、自分が悲しんでいるほど悪い人間でもないかもしれない。また、自分がうぬぼれているほど賢くはないだろうけれど、人が思っているほどバカではないかもしれない。
内向的、悲観的、神経質、臆病、怠け癖、泣虫、ネクラなどなど、その性格に多くの問題を抱えるくたびれた中年男である。

私は、今まで、幾人もの死を体感し、幾人もの生を垣間見てきた。
目に見えるものを片付けるなかで、目に見えないものをたくさん目の当たりにしてきた。
すべての儚さを思い知らされつつも、死痕を消して生跡を刻み、死を生に転化させてきた。
命とは、生とは、死とは何であるか、それを探求したがる本性に心を揺さぶられてきた。
そして、自問自答を繰り返しながら、浅慮も省みず、それらを本にして出版することにしてみた。

読み手の一人ひとりが、ここから何を読み取るか、何を受け取るか、そして、自分の価値観にどう響かせ、生き方にどう反映させていくのか、私にはわからない。

そもそも、そんな何かが本書にあるのかどうかもわからない。
ただ、せっかく手に取ってもらったのだから、読んだ後、その心に少しでもよいものが残れば幸いである。

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特殊清掃 死体と向き合った男の20年の記録 のユーザーレビュー

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    購入済み

    凄く…

    考えさせられました。
    こんな事書くのは、失礼かもしれないけど…
    最初は、軽い興味本位で、読ませてもらいました。
    でも、夢中で読み終えました。

    (自分のこれからの人生を考えなきゃいけないなぁ。)
    と、思わせてもらいました。

    1
    2013年11月30日

    Posted by ブクログ

    遺体痕処理から不用品撤去・遺品処理・ゴミ屋敷清掃・消臭・消毒・害虫駆除を行う「特殊清掃」。そんな特殊清掃を生業としている男性のブログをまとめたのがこの本だ。
    自殺や病死など、死に至る原因は様々だけれど、発見されるまでに時間がかかる孤独死では、現場が凄惨なものになる。そこを清掃するのだから、まさしく汚

    0
    2019年02月21日

    Posted by ブクログ

    当事者本系、有り難いのです。遺体処理なども含まれるそれは大変なお仕事なんですが、また作者の方の在り方がよくて。本当、紹介する言葉の無い本です。読めば分かる。

    あ、でも最後の養老先生のコメント、こんなよろよろした文体のお方だったっけって失礼にも勝手に心配になったの私だけでしょうか…

    0
    2014年10月09日

    Posted by ブクログ

    ”特殊”な清掃を請け負う、特掃隊長。
    本書で語られる多くは、特殊な状況下に置かれた遺体とその周囲の清掃。
    ”特殊”な状況下ゆえ、周囲の人たちも我をモロに出す。
    遺体の状況、故人の周囲の人たちを見る中で、在りし日の姿も垣間見えてくるようだし、そこから世の中の空気も感じられるよう。
    普段接点のない仕事、

    0
    2012年07月28日

    Posted by ブクログ

    物語で読んだことはあったがリアルは初めて。誰かがやらないといけない仕事。全ての仕事は尊いという言葉を思い出す。納棺師も素晴らしいし同じカテゴリーに感じる。きっとこの人は往生したら天界で人間を助ける役目とか担うんじゃないかなあと思った。

    0
    2012年05月03日

    Posted by ブクログ

    衝撃的で刺激的で知らない世界を見せてくれた。
    だいぶ昔に読んだから、断片的にしか覚えてないけど、たしか腐敗した人の臭いに晒されると、お風呂入ってもその臭いが取れないとか…

    とっても読みやすくて、気持ち悪いはずの現場の状況もサッパリな文章でグロさがなかった!!(あくまで個人的な感想)

    0
    2024年12月29日

    Posted by ブクログ

    面白かった!

    読み応えある〜腐乱死体の描写が大好きで読んでみたのだけどその辺りは割とあっさり目に書いてあるように感じた。

    「生きる」ことについて真剣に考える。

    その日その日、今の今の今を生きる。

    作者がこめた強いメッセージは否応なく伝わってくる。

    本当に凄惨な現場なのですね…現場の空気がこ

    0
    2022年04月05日

    Posted by ブクログ

    「特殊清掃」― 死体処理や腐乱死体があった部屋の清掃や「ごみ屋敷」の清掃 ― を請け負う業者に勤める著者がつづるブログが元になった本。

    「死」というものは現代においては隠されている(TVでは豚の死骸だってモザイクを入れられる)。この本には深い哲学的な考察などはない。その分、腐乱する身体というむき出

    0
    2020年03月29日

    Posted by ブクログ

    特殊清掃という仕事を初めて知った。
    新聞にも載らないような訳ありの死は今もどこかで起こっていて、彼が清掃に翻弄しているー。

    死後の精神がどうなるのかはわからないが、
    肉体は腐敗する。
    そんなのは考えればわかることなんやけど。
    まだ私は死を自分事として考えられていない。
    そういう危機に面して初めて、

    0
    2014年04月08日

    Posted by ブクログ

    本書は、特殊清掃を行う「特掃隊長」と呼ばれる男性のブログ「特殊清掃・戦う男たち」を書籍化したものです。『ニンゲンは死ねば腐るだけや』この言葉が意味する現実を突きつけられる内容が次から次へと登場します。

    本書は人気ブログ『特殊清掃「戦う男たち」』の書籍化したものだそうで、僕も本書を読み終えた後でサラ

    0
    2013年11月03日

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