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人間の心ほど弱いものはない。 組織防衛の要諦は、今も昔も、「人間の心」である。 裏を返せば、ビジネスでも人間の心を狙うことが大きな成功につながりやすい。 最も古典的な人的諜報=ヒュミントとは何か。 ソ連KGB、米陸軍や陸軍中野学校の資料やリーク情報などを読み解き、世界に共通するヒュミントの手口を明らかにする。 組織を守るにも、重要な情報を獲得するにもヒュミントを知らなければ始まらない。 組織人必読の一冊だ。
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Posted by ブクログ
著者は元警視庁公安部捜査官。 スパイが実践するヒュミントの手法についての本。 ヒュミントとは人的諜報のことである。 工作員を作るために、ターゲットにどのように近づき、信頼を得ていくか、詳細に書かれている。 このことは営業マンであったり、部下のマネジメントにも使える手法と思う。
謀略の技術 スパイが実践する籠絡(ヒュミント)の手法 著:稲村悠 出版社:中央公論新社 中公新書ラクレ 849 良書 どう人から信用を得るのかを、謀略と絡めて解説しています。 帯に「『信用』という最終兵器の使い方教えます」とあり 営業にも、ビジネスにも通じるその言葉を見て、手にとりました。 人...続きを読む間関係のフレームワークなど、人の心にものさしを当てる。など 人間の心ほど弱いものはない 組織防衛の要諦は、今も昔も、「人間の心」である 謀略というよりも、人からどうやったら情報を得るかということを、いくつかのフレームワークをつかって 整理しています。 情報収集のための5つの手段 ①オシント メディア、SNS ②シギント 通信、信号の傍受 ③コリント 組織の協力、情報連携 ④イミント 衛星画像の分析 ⑤ヒュミント 人的情報源からの収集 ラポール(信頼関係の)形成:相手に敬意を払いながら自然な会話へ誘導する 何よりも優先すべきは、「信頼」 脅しよりも先に相手の気持ちを動かし、納得して協力する ノンバーバル(非言語)コミュニケーション ①表情のほころび ②声の揺れやピッチの上昇 ③まばたき、視線の変化 ④ボディシフト ⑤言語表現とのギャップ 戦略的人間関係構築フレームワーク ①目的の設定 ②選定・計画 ③基礎調査 ④初期設定 ⑤信頼関係の形成 ⑥信頼関係の強化 ⑦関係の維持 MICELDS:フレームワーク ①金銭 ②思想・信条 ③名声や信用の危機 ④欲求・承認欲求 ⑤愛、恋愛、家族愛、友情、組織愛、自己愛 ⑥不満 ⑦ストレス ⑧秘密 RASCLS:フレームワーク ①返報性 ②権威 ③希少性 ④一貫性 ⑤好感 ⑥社会的証明 EAPメソッド ①環境 周辺環境や組織的背景 ②属性 経歴、役職、ネットワーク、思想 ③嗜好 価値観、趣味、生活様式、性格 7Dアプローチ:フレームワーク ①理解 ②支援 ③救済 ④承認/評価 ⑤依存 ⑥共鳴 ⑦正当化 一貫して相手に誠実な態度が続けられるか 人間の洞察力が勝負を分ける 心理学的テクニック ①リクルート/情報収集 ・野外の活用/人数の操作 ・グッド・コップ/バッド・コップ ・ページング、リーディング ・イノセント・アプローチ ・サード・パーティ・アプローチ ・非言語コミュニケーション ・ミラーリング ②フォローアップ ・フォローアップ ・依存関係の構築 相手が離れられなる状態を意図的に作ること ③リクルート ・単純接触効果 ・プリテキスティング ・認知的不協和理論 ④情報収集 ・返報性の原理 ・フットインザドア お願いは小さいものから ・ドア・イン・ザ・フェイス 最初に過大な要求を ・カリギュアア効果 だめといわれるとますますやりたくなる ・環境操作 空調、室温などを調整し、 ・ラビット・ファイア・アプローチ 矢継ぎ早の質問で相手を混乱に ・エゴ・アップ/エゴ・ダウン・アプローチ ・誘導質問 ヒュミント担当者に必要な要素 ①文化・社会への深い理解力 ②コミュニケーション能力と柔軟性 ③観察力と洞察力 ④長期的視野と粘り強さ ⑤自己管理と精神的タフさ ⑥問題解決能力と批判的思考 ⑦組織と連携意識 ⑧倫理観と誠実さ 結論は、人間同士の絆を支えるのは結局「信頼」なのである 目次 はじめに 第一章 ヒュミントとは 第一節 諜報活動の概要 第二節 ヒュミントの概要 第三節 衝撃の事件簿 第四節 ヒュミントの利点と弱点 第二章 人の心を掴む 第一節 篭絡の基礎 第二節 協力者を獲得するための手段 第三節 信頼を得る方法 第三章 露中米英の籠絡の手法 第一節 諜報大国の手法 第二節 各国手法から見える共通点 第三節 新しいヒュミント 第四章 現場が嘆く、人心掌握の難しさ 第一節 現場の声 第二節 知るべき限界 第五章 心理テクニック 第一節 情報と協力を引き出す心理学 第二節 ターゲットを揺さぶる環境操作 第三節 ターゲットを動かす心理操作 第四節 非言語コミュニケーション 第五節 情報を引き出した後の処理 第六章 実践のためのフレームワーク 第一節 戦略的人間関係構築のフレームワーク 第二節 オンラインヒュミントとソーシャル・エンジニアリング 第三節 実践における失敗の原因 第四節 担当者に必要な要素 第五節 悪意あるヒュミントへの防御 あとがき ISBN:9784121508492 判型:新書 ページ数:280ページ 定価:1050円(本体) 2025年09月10日発行
スパイ活動というと、トム・クルーズが演じたイーサン・ハントが様々な困難を乗り越えながら、悪の組織に潜入し活躍する「ミッション・インポッシブル」やロバート・レッドフォードがCIAの工作員を演じた「スパイ・ゲーム」など、派手なアクションと騙し合いの心理戦を描いた作品を思い浮かべる人も多いだろう。現実世界...続きを読むに於いても太平洋戦争直前の日本にドイツ人ジャーナリストとして潜入して様々な諜報活動を行い、最後は捕まって処刑されたソ連のスパイ、リヒャルド・ゾルゲ(ゾルゲ事件)が有名だ。ゾルゲと言えば当時の内閣である近衛内閣のブレーンとして日中戦争の推進に一役買った朝日新聞記者の尾崎秀美とも協力するなど、日本の命運に及ぼした影響は計り知れない大物である。 その様なスパイは当時も今も多く存在する(と言われている)が、人が行う行為は諜報活動の中でもヒューマン・インテリジェンス=ヒュミント(humint:籠絡)にあたる。本書はそれを中心に扱った書籍であり、人の心を掴み内部情報をいかに引き出すか、その様な素質や背景を持つ人材をいかにリクルートするか手法・技術を紹介する内容となっている。諜報活動と言えば、ヒュミント以外にも公開情報を基に情報収集する合法的なオープン・ソース・インテリジェンス=オシント(osint)や非合法的の通信傍受や盗聴を主とするシグナル・インテリジェンス=シギント(sigint)、偵察衛星や偵察機によって撮影された画像を継続的に分析するイメージ・インテリジェンス=イミント(imint)、利害関係を同じくする諜報機関同士が協力的に情報収集するコレクティブ・インテリジェンス=コリント(collint)が主要な手法である。いずれかの手法で目的を達成するというより、それら手法の組み合わせにより、様々な情報ソースから真実(秘匿された部分)を探ることが諜報活動の目的である。そこには常に危険が付きまとうから、より多くの情報を集めて分析した結果を総合的に判断するのが諜報機関の実力であり、彼らの抱えるリスクでもある。 ヒュミントは前述した通り、人がその中心になるから、物理的な危険性で言えば圧倒的にリスクの高い手法であるわけだが、その分得られる成果は他の比ではない。そしてそれはスパイと呼ばれる諜報活動を行う人間の実力に大きく左右される。彼らは自分自身を他人に作り上げ、ターゲットの嗜好や考え方に寄り添いながら、心を通じさせ相手との距離を徐々に詰めていく。共感し、時には一緒に泣き、共に祈るなと、信頼関係を構築するのは彼らのスキルである。そうしてロックオンされたターゲットはスパイが欲する情報を次々に渡してしまう。そうやってかつての日本にも共産圏に様々な情報を垂れ流してきた歴史がある。本書を読んでいると、そこに書かれているスキルを駆使して近づいてくる人間が近くに居るのではないかと少し不安になる。だがよく考えればそれに相応しい情報が私にあるわけでもなく(会社に所属する以上は営業機密などは持っているが)、ターゲットにすらされないだろう。 手法やフレームワークで特に参考になる、MICELDS(金銭/money,思想・信条/ideology,名声/compromise,欲求/ego,愛/love,不満/disgruntlement,ストレス/stress,秘密/secret)は日常的に誰もが抱える感情を利用した取り込み方として、(良いか悪いかは置いておいて)対人関係を開始する際に利用できる。RASCLS(返報性/reciprocation,権威/authority,希少性/scarcity,一貫性/commitnentまたはconsistency,好感/ linking,社会的証明/social proof)についても、人の心理を巧みに利用した手法だ。決して自分が公にそれを利用しようとは勿論考えない(考えたくない)が、本書を読むと何処か心の中にそれらが見え隠れしてしまいそうで怖い。 今日も提案に来る他社の営業さんと親しげに会話しながら、言葉の端々に注意しつつ、時には相手が欲しいだろう近況情報に加えて、こんなことやりたいんだよね、といった釣り言葉を入れてみる。すまして聞いている風で、手元ではメモ帳にびっしり書いているかもしれない。そんな事を考えながら、ビジネスも諜報と心理戦ばかりだなと思いながら、本書を閉じた。勿論合法的に使う分には問題ないような対人スキルに溢れた内容であるから、スキルの一環として身につけるために読んでみるのも良いだろう。
本書は、スパイが情報収集する際に使用する技術ヒュミントの実践法を書いたもので、英米や中国、ロシアの諜報機関が実際にどんな手法で相手から情報を得るのかがわかる。また、著者はスパイになる為の動機MICEに加え新たな要因を紹介して、相手が自発的に協力してくれる為のテクニックを具体的に解説する。いずれも人間...続きを読むの弱みを突くことに重点を置くが、単に相手を操ると考えるわけではなく、相手からの信頼や尊重を蔑ろにせずに良好な関係を築くことが重要である。とはいえ、ヒュミントもあくまで技術の一つでしかなく、実際は組織の上層部の情報は簡単には得られない。そういう意味でヒュミントの限界も正しく理解する必要がある。
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