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経済成長が最優先されたあの頃、昭和30~50年代の村では、鳥獣害に悩みながらも焼畑で生計を立て、祭りに願いを託した人びとの「ふつうの暮らし」があった。 宮本常一が所長だった日本観光文化研究所に所属し、日本全国の村で「あるくみるきく」ことを誠実に続けてきた写真家、須藤功による写真エッセイ。宮崎県西都市の「銀鏡神楽」、同県西米良村の「焼畑」、愛知県東栄町の「シシウチ」、三信遠の「田遊」「田楽」、アイヌの「イヨマンテ(熊送り)」…二度とふれえぬ時代の光景が、そこにある。
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Posted by ブクログ
日本の国土の大部分を占めるのは山地である。 本書は、その山の暮らし、山の農業焼畑、山の信仰神楽、山の獣、主に猪について、北海道から沖縄までの地域にわたっての調査研究のサマリー。 山に棲むと言っても、山に暮らす人が狩猟採集民族であったわけはない。棚田が開発される前から行われてきたのは焼畑。焼畑は、地...続きを読む域によっては昭和の時代まで行われてきた伝統農法。 そして、山の暮らしに密着し、伝統を、知恵を伝えてきた祭司、神楽。 山の獲物であり、かつ農耕の敵である猪との戦いは縄文時代から続いている。 山の暮らしと猟に関する実務的な知識を得ようと読み始め、その役にはあまり役立ったとは言えないが、日本民族の山での暮らしを俯瞰的に学ぶことができ、面白かった。
全国の地方に残る「祭り」を「食」を通して見るとひとつのストーリーが見えてくる。祭りをめぐる民俗の記録。 ------------------- インパクト抜群の表紙に惹かれて読んでみました。題名にもあるとおり、日本の動物とその信仰や祭りについてまとめたものなのかな、と思っていたのですが、食や農と祭り...続きを読むについてを広く記録したものでした。もっと獣の話が読みたかったな、と思います。 日本の山間地では長い間米が食べられなかったので、米を食べることの願望として祭りが形成される。米の代替として粟や稗、そばなどを作る。山間地で作るから必然的に焼畑となる。粟や稗の食味を豊かにするためにも獣を狩る。という線の引き方はとても面白いと思いました。全国の祭りの記述が豊富なのですが、ひとつにはその祭についての考察が薄いこと、もうひとつは祭りの記録の時期が不鮮明なことで全体の解像度が低く、読み応えが薄くなっていることが残念でした。 しかし本書の冒頭にも書いてありましたが、こうした小さなお祭りは時代と共に消えて行っています。このようにまとまった記録というのは貴重で価値あるものだと(寂しいながら)思います。
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