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一九六九年,第五代最高裁長官に就任した石田和外.新憲法の精神に即したリベラルな法解釈や東大安田講堂事件へと続く学生運動の激化を「国難」と憂えた自民党保守派の意向だった.裁判・人事の両面で人権よりも秩序重視,今日に至る「日本的司法」の礎を築き,退官後は「日本会議」の前身を結成した天皇主義者の実像を描く評伝.
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Posted by ブクログ
朝ドラ「虎に翼」に登場する松山ケンイチ演じる桂場のモデルと噂される石田和外。 実際の人柄は大部異なる印象だが、ドラマでは陰険で神経質な感じだが実は甘党でヒロインたちにも一定の理解を示すが、実物は一見豪放磊落な細かいことに捕らわれないが内面政敵には執拗にこだわるタイプだったようだ。 ドラマでも描かれる...続きを読む帝人事件をモデルとした裁判(水中月影の如し)の裁判官としての判断や戦後誕生した家庭裁判所に対する思い入れは後世でも評価される点だろう。 また裁判所が戦後、2流の役所としての評価(三権分立の司法権を担うにも拘らず)から脱するために裁判所の独立を国会(政治家)や法務行政から司法行政を通じて守ったことは評価される面もあっただろうが、それ以上に司法の独立の中核である裁判官の独立を踏みにじり、現代の裁判所の役割を後退させたこと、人権救済機関としての役割を十分に果たしていない現実に我が国の司法権の未熟さを痛感する。 それが裁判をしない裁判官(司法行政に特化)に由来したのであれば、修正していかなければならない。 そんな判事が最高裁判事になっても人権感覚を発揮できるとは思えないからだ。 最高裁判事として人権救済の観点化から注目に値する判決が乏しいのもその証左だろう。 その例外として八海事件を取り上げているようだが。 それ以上に問題なのは八幡製鉄政治献金事件で大企業の政治献金を合法とする判断が民主主義を遅滞させることになった方が国益に反するものと感じる。 日本が1960年~1970年代にかけて若者を中心とした政治の季節(左翼運動の高まり)を背景として、時の政府に逆流するような判決や訴訟指揮をとる裁判官たちの出現で司法の危機が叫ばれた(明治憲法の残滓のような既成勢力から見れば当然)時代に、最高裁長官となって益々人権に抑制的なシステムを構築し人事権や監督で抑圧したことは「長沼ナイキ訴訟」をめぐる「平賀書簡」問題、青法協参加の裁判官に対する締め付け(ブルーパージ)に詳しい。 更にリベラルな判決の流れを止めるため、保守派の裁判官を後退時に送り込みリベラルな判決を覆す構成に寄与した流れはまるでアメリカ最高裁におけるDトランプの戦略の先駆のようだ。 この流れで都教組事件判決(石田も関与した)から全農林警職法事件の判決での公務員の労働権に対する逆転となったことは鮮烈だ。 翻って日本における司法の歴史は、米国流の憲法を導入しつつ、明治憲法に毒された人間らが運用してきた。 これを本来の人権感覚に根差す裁判が行われるには過去を省察することが肝要であり、本書もその一助となることが期待される。
虎に翼以前から知ってはいたが、どんな人物なのかは知らなかったため、購入した。 国家主義の天皇主義。裁判の独立を志向するため、裁判官の独立は徹底的に制限。おおよそイメージ通りであったが、なぜそのような思考になったのかがよく分からず、結果だけ淡々と聞いている感じ。人物的なところに深掘りして欲しかった。
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最高裁長官 石田和外 日本的司法を定礎した天皇主義者
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西川伸一
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