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「毎朝二〇年間も髭を剃っていれば,誰だって何かを学ぶことになる」(リンド).隣人の騒音問題や犬派・猫派論争から当時の世界情勢まで,誰にとっても身近な出来事をユーモアたっぷりに語る,ガードナー,ルーカス,リンド,ミルンの名エッセイ.約一世紀前の作ながら,その人間性への鋭い洞察は今なお大いに共感を呼ぶ.
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Posted by ブクログ
「たいした問題がじゃないが」の続編。大学受験英語の英文を読むのが好きだった元受験生にはうってつけの本。イギリスのユーモア精神は、些細なことでもクレームをつけて大問題にしたがる余裕の無い現代人に必要だとおもう。
大笑いでも激怒でもない、静かな紳士のエッセイ。 前回の『たいした問題じゃないが』がとても好きで、今回も楽しんで読んだ。まるで英文長文読解にありそうな、というか実際にあったエッセイも載っている。いかにもイギリスな皮肉とユーモアに満ちた作品。 ガードナー「自分自身で考える」権威が与えられているからす...続きを読むごいと思う。現代も同じ。自分がおかしなことを言うのが怖いから皆がすごいというものに同調する。自由に物を言えるから皆が同じことを言ってしまい、不自由になったら考え出すだろうと言っているが、案外そうかもしれない。誰でも発信できるSNSで他人の意見が可視化されると自分で考えられなくなった。 リンド「ささいなことを弁護して」世の中が大変な時に楽しむことなんてできない、もしくはしてはいけない、とは東日本大震災やコロナ禍で言われていたことがある。誰かが苦しんでいるのに自分が楽しい思いをするのは心苦しいとはわからないでもないけど、楽しい瞬間を持たないと人はダメになってしまうのだから。そんなことをここでもリンドが言っている。まったくその通り。 リンド「思うだに震える」お前は思っても震えてもいないだろう、ただ自分の利益を守りたいだけだ。感情じゃなくてよく考えよう、というエッセイだが、きちんと最後を「思うだに震える」で締めているのが素晴らしい。 ミルン「最高のフルーツ」オレンジ万歳。いつでもある一定のレベルで入手できるフルーツの素晴らしさに同意。今の日本にいたらバナナを褒めてそう。プラムへの厳しい言葉に笑ったけど、確かに適切に熟れたプラムってほぼ見たことない。
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