男女の進学格差はなぜ埋まらないのか？ 「ジェンダー・トラック」について考える

中西祐子

今の日本は，先進諸国で大学進学の男女格差が最も大きい国だ．それはなぜなのか．学校の日常場面での「隠れたカリキュラム」やペアレントクラシー（親の教育期待・教育投資）に見られる男女間格差，大卒女性の学歴やスキルが低く評価される労働市場の問題など，国際統計を含む多彩なデータから社会のあり方を検証する．

• カテゴリ: ビジネス・実用
• ジャンル: 社会・政治 / 社会問題
• 出版社: 岩波書店
• 掲載誌・レーベル: 岩波ブックレット
• ページ数: 80ページ
• 電子版発売日: 2025年05月29日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 5MB

[ブクログ · ★★★★★]

進学、就職、結婚、出産…ライフステージの選択は自由なようで全然自由でない。決められたトラックを走るのと同じだ。親、教師、法律、制度がそのトラックを決めていく。豊富なデータをもとに格差へのアプローチについて考えるきっかけをくれる1冊。

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今年から公立学校でも理系科目の時間講師をスタート。驚いたことに、同じ科目に女性の教師はゼロ。そして、そのことに疑問を抱いている様子がない同僚。共学なのに。
女子校の存在に関する様々な議論があるが、女子校では理系科目の女性教師は珍しくない。そのことだけでも、女生徒にプラスの影響がある。
小学校より女性教師が少ないという中高等学校の全ての教師に読んでもらい、生徒たちも巻き込んで、変化を起こすことが必要である。
国公立大学と私立大学での学費の差は、理系学部の方でより大きい。理系学部の女子枠入試に加えて、教職枠合格者への学費無償化を進めていくのはどうだろうか。
「女子は理系科目は苦手だよね」という呪いをかけてきた償いとして。

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ジェンダーギャップについて、統計や諸外国との比較、事実をもとに、課題が上手にまとめられている。読む者を選ばないと思う。この「読む者を選ばない」というのは、ものすごく価値があることだ。

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短い紙幅の中でも、労働格差に基づく「進学格差」の内実について学べる。元も子もない実情として、女性の進学選択による投資率が低いことが格差の再生産に寄与する日本の現実がある一方で、アメリカなどでの男女の進学格差の反転などは、様々な要因が絡んでいるにせよ興味深い。

[ブクログ · ★★★★☆]

いやもうほんとちょっといい加減慣れ始めてきちゃいましたよ

ジェンダーに関する統計で、「〇〇で日本は最下位です」ってやつ

ちょっと危険な慣れですよ

ほんといつになったら改善するのかね？え、石破君
改善の兆し的なものだけでもいいから見せてほしいものだよね

日本に長らく染み付いた「サラリーマンと専業主婦」っていうモデルが社会構造の変革を阻んでいるんだけど、現実にはそんなんもう全く一般的でなくなってるわけよね
ほとんどが共働きですよ
女性はどんどん社会に出て行ってるし、また出て行くことを求められてるんです
現実に制度が追いついてないんだわね

子どもが家具ベタベタ貼ったキャラクターのシールみたいに貼り付いてるんだわ
あれきれいに剥がすのたいへんなんよね

日本社会に貼り付いた「サラリーマンと専業主婦」というシールをいかにきれいに剥がすか？
というのがポイントのような気もするな〜