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フランス革命で政敵を次々と粛清、最後は自らも断頭台で葬られたロベスピエール。「私は人民の一員である」と言い続けた元祖〈ポピュリスト〉は、なぜ冷酷な暴君に堕したのか。誰よりも民主主義を信じ、それを実現しようとした政治家の矛盾に満ちた姿から、現代の代議制民主主義が抱える問題の核心を鋭く問う画期的評伝。
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Posted by ブクログ
フランス革命時に登場したこの人物に何となく興味を持って読んでみた。本書によると、ヒトラーやスターリンでさえその罪と共に『良いこともした』と言われることがあるのに、ロベスピエールに関してはそうした評価は皆無だという。独裁者として後の世に非常に評判が悪いその人物像を追う。 本書で度々『清廉の人(腐敗の...続きを読むない政治家)』という言葉と、幼い頃から非常に頭が良かったことが述べられている。独裁者という人物像は後に政敵達によって作られたイメージが多分にあるようだ。ロベスピエール自身が決断に加わって恐怖政治を行っているが、他の政治家も似たりよったりであり、権力闘争の中の一コマのように思える。そして共通しているのは『熱狂した民衆』の支持が背景にあることだ。社会から不要とされた人物が民衆の後押しで処刑されるのは『究極の民主主義』を感じる。 公開処刑が一つの『見世物』だった当時と今とで価値観がかなり違うことを考慮する必要がある。社会を変える必要がある変革期には理想の実現のためには荒っぽい政治手腕が必要とされること、そしてそれを支持する民衆の存在がいつの世もあるようだ。
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ロベスピエール―民主主義を信じた「独裁者」―(新潮選書)
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髙山裕二
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