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現在約1.3億人の日本の人口は,2040年代に1億人を割るとされる.そしてその時日本は65歳以上の高齢者が4割の超高齢国となる──.「少子化対策」が叫ばれながら,なぜ日本の出生率は下がり続けるのか? そのカギは景気後退と雇用の劣化に翻弄された団塊ジュニアの未婚化にあった.一貫して少子化,子育てを研究してきた著者による「少子化対策失敗の歴史」と渾身の対抗策.
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Posted by ブクログ
日本の人口構成の変化を丁寧に追った本。 あとから振り返ると見えてくるものも、真っ只中にいるときは、なかなか見えないものなのですね…。 それはさておき、日本の人口構成は、これからどうなるんでしょうね。 日本の社会の在り方とともに、真剣に考えていかないと、とんでもない未来がやってくることでしょう...続きを読む。 昔に比べて、日本人は長生きするようになりましたし、元気なお年寄りも多いですが、未来を作っていくのは若者なので、その若者たちが、明るい未来を描けるように、ある一定以上の年齢層の人たちは、自分も含め、若者たちに、より良い形でバトンタッチできるよう、がんばらないといけないですね。
『少子化』問題へ「戦略対応」=構造転換が出来なかった 97年橋本改革にもそれだけの構想力は無かった バブル崩壊で個別の問題対応に追われてしまった 不良債権も後回し 結果的に若者を切り捨てて乗り切りを図った 短期的なつじつま合わせ 非正規労働者 出生率の低下 母体の急減 復活には2世代50年を要する ...続きを読む社会構造は変えられなかった 旧態依然 男が終身雇用・年功序列 第三次ベビーブームは来なかった その場限りの個別対処は、タイタニック号と同じ運命
2040年に人口一億を割るとされる超高齢化社会は、人口減少を上回るスピードで生産年齢人口が減少(1日あたり人口減約1100、生産年齢人口減は約1500)する社会であり、合計特殊出生率が2.07となっても人口減が50年以上止まらないという恐るべき社会である、一刻も早く若い世代への支援などの的確な対策を...続きを読むとらなければならない、とする警告と具体的提言からなる書。 この現実を前に、どのような社会にしようとするのか、国民みながしっかりと議論し、選択し、行動しなければならない時が来ていますね。
少子高齢化を扱った本はいろいろあるし、この本が何かとてもスペシャルなことを訴えているわけではありません。読めば暗い未来が眼前に拡がり、提案されている対策もどれも決め手になるかというと微妙だし、誰かには痛みを伴うものになりそうです。でもなにもしないことが今の現実を招いているので、「何か」はやらないわけ...続きを読むにはいきません。安心して若者が結婚して子育てできるようになるためには彼らが未来に希望と安心を見出してもらう必要があるわけで、そのためには少なくとも彼らが抱える経済問題に対してきちんとした対策はするべきでしょう。そのためには余裕のある層からの富の移転を進めることが必要になりますが、いまの政治では無理ですかね・・ それにしてもネオリベがもたらしたモノは大きい・・
少子化のスピードが早いことが気になり、網羅的に少子化の原因を知りたいと思って読んでみた。 「無子高齢化」という刺激的なタイトルと、著者が横浜副市長を経験しており、自治体の現場を知っていること、女性であることから本書を選択した。 2018年の刊行なので、平成が終わる時期。映画『万引き家族』が話題に...続きを読むなった時期の書籍である。当然、新型コロナ危機は発生していない。コロナ以前の「少子化対策の失敗の歴史」をたどることに成功している良書だ。 就職氷河期に社会にでた団塊ジュニア世代が、正社員になれなかったことで、生活が不安定になり、少子化が促進したことがデータをもとに詳述されている。本書は、重要な事実を、太ゴチックで印刷しているので、手早く要点を理解することができるのがありがたい。 私にとって発見だったのは、少子化の解決策としての移民の位置づけだった。 --- 実は1992年、旧労働省産業安定局は『外国人労働者受け入れの現状と社会的費用』で、外国人の受け入れのメリット・デメリットを研究している。 彼らが日本人と同程度の所得を得て働いた場合の納税や社会保険料などの社会的便宜と、同時に生活者として医療や教育を日本人と同じように受け、がいこくじっ向けの通訳サービスや日本語教育などを整備した場合の行政コストの、いわば「入り」と「出」の試算である。 50万人の外国人労働者を受け入れた場合、単身では「入り」の方が多いが、配偶者が来た場合はコストが便益の倍になる。さらに学齢期の子どもが二人いると,教育費や居住対策費が必要になり、扶養家族が増えるにつれ、税収も下がるため、1年でメリットの4.7倍にあたる約1兆4000億円ものコストが発生するという。 --- 日本政府は、外国人の定住移民の増加を拒否している。国民もそれを批判していない。 著者は、少子化対策のために必要な施策を提案しているが、その実現のためには,政治家の決断、そしてそれを支持する高齢者中心の有権者の政治決断が求められる。 これまでの少子化失敗の歴史をみるかぎり、実現の可能性は低い。 国内で子どもが増える可能性は低い。 移民で子どもを増やす政治決断はしない。 日本の少子化対策はきわめて悲観的、という分析の書である。 2020年の新型コロナ危機、さらに気象変動による大水害の続発で、国も自治体の予算は枯渇しつつある。 さらに少子化は進むだろう。著者が指摘するように、それは、子どもがいない=無子、の社会に日本が向かっている。
◯これまでの国の子育て施策を総括し、これからの少子化対策をいかにすべきかを語る。 ◯移民施策、とりわけ近年議論されていた新たな在留資格を導入した場合の社会保障施策に対する検討もされており、新しい。 ◯とはいえもはや少子化対策は一朝一夕には解決しないものであることが確実であるため、これ以上少子化が進ま...続きを読む無いように、できれば盛り返すためにはどうするかを考え続ける必要がある。
まず、「無子高齢化」というタイトルを見て、私は、「やられた」と思った。 そう、これから日本が直面する最大の加田は、「少子」ではなく、「無子」なのである。 この本が、他の「少子化本」と一線を画しているのは、著者の前田氏が横浜市副市長という経歴の持ち主であることから、行政的な立場から「少子化」の解決策...続きを読むについてのアプローチを試みている点である。 実際、本書で著者は、その対策案として、行政的な視点から5つの案を提起している。 その提起された5つの案から、私は、非正規社員や外国人労働差の増加、奨学金の返済問題、家事・育児時間の増加など、様々な要因が重なり合い、我が国は少子化が進展してきたことを改めて認識させられた。そして、少子化対策は、行政において、子育て担当部署のみならず、経済振興、教育委員会、そして男女共同参画や国際を担当する部署が連携をして対策を講ずる必要があるのではと感じた。まさに、あらゆるエビデンスを得て著者が主張するように、まず、少子化対策とは、若者が経済力をもつような基盤整備が求められるのではないだろうか。 2017年の合計特殊出生率は、1.43である。このままだと、早くも3世代目の時点で、日本で生まれる子供の数は半分になってしまう。 無子高齢化時代の予兆は、すでにわが国で始まっている。生産年齢人口の減少に伴い、外食産業やコンビニエンス業界では、人手不足により、営業時間の短縮などに迫られている。 今まで当たり前と思っていたサービスが受けられなくなる。著者は、このまま日本の農家の減少と高齢化が進めば、畑が急な傾斜にあって、機械化も難しいミカンが食べられなくなるのではと危惧している。 「無子高齢化」時代の到来。我が国は、他の諸国と比較し、いち早く、その時を迎える。 その時を変えるべく、私たちは、行動を起こさなければならない。 本書を読んで、いま、始めるべきことを始めなければと思った。
なかなか衝撃的なタイトルだが、内容も歯に衣着せぬ表現で、現在の人口問題について分かり易く解説している。育児支援や保育政策が専門の大学教授が、現在の苦境を招いた原因を、政策対応を時代の経過とともに説明しながら、問題点を指摘している。バブル崩壊による経済の低迷と、政府が適切な対策が取られなかったことが致...続きを読む命症になったが、生まれない子供を気に掛けることは難しく、頭ではわかっていながら問題の本質を見ないようにした「無視」が「無子」をもたらしたのだろう。そもそも、どうやって人口減少社会を乗り切るかというビジョンがなく、人口増加をベースにした昭和の考え方をあきらめきれないところに問題の本質があり、微修正で場当たり的なことが繰り返されてきたのだろう。「平成は少子化が加速度的に進んだ時代として記憶されることになる」との著者の指摘は妥当だと思うし、令和はその影響をまともに受ける時代になり、諦めることが多くなると予想する。決して明るい新時代とはならない可能性が高い。この難局を乗り切る著者の提言も披露しているが、政策による実行は難しいだろう。それを理解した上で、個人で対策を講じるしかない。その覚悟を強固にしてくれる本と言える。
ニュースや新聞でも毎日のように目にするキーワードが満載。あたりまえのことだが、このように明文化されると、どんどん追い詰められ、絶望的な気持ちになる。 勿論、取り組むべき対策についても述べられているが、勝ち組として逃げ切った人以外、どの世代にとってもショックな内容に変わりは無い。
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無子高齢化 出生数ゼロの恐怖
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