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Posted by ブクログ
自閉症の長男の下に年子の男の子と女の子の3人の子供がいて、妻が肝炎を中心に43回の入退院を繰り返したうえにうつ病を併発し、何度か自殺未遂を図る。その間に、本人は東京と大阪の間の転勤を6回繰り返す。仕事は手を抜かず、優秀でもあったのだろう、東レという大きな会社で、事務系同期の中では、トップで取締役に就任する。
一読、「自分にはこの生活は無理」と感じる。よくも、本人がつぶれずに、こういうことを続けられたものだと思う。素直に尊敬する。
が、読みながら微妙な違和感があったのも確か。感情移入できないのだ。
ところが、見事だな、と思ったのは筆者自身が「あの頃の自分は悲劇のヒーロー気取りだった。仕事をするのと同じような完璧さを求め、たった一人で家族を全て支えている気になっていた」、というような自己分析している点で、これで自分の違和感の正体も分かったような気がした。
取締役就任から2年後、筆者は東レの関係会社であるシンクタンクの社長に就任する。サラリーマンであれば分かると思うけれども、これは明らかな左遷だ。ところが、この頃から筆者の妻のうつ病が好転し始め、今では普通の人に近いところまで回復している。筆者の忙しさが減り、肩の力が抜けて、それが妻に対する態度に変化をもたらし、それがひいては妻の病気に好影響を与えた、というようなことなのだろう。
悲劇のヒーローのつもりで肩を怒らせながら、出世も家族の世話も必死でやっていた時よりも良い結果をもたらした、というのは、やや皮肉な気もするけれども、そんなものかもしれないな、とも思う。
Posted by ブクログ
運命を引き受けようという一節が非常に心に残るととともに大変共感した。
ただ、著者の佐々木常夫さんは1944年のお生まれということもあり言い回しや言葉の節々から、男性には『(マッチョな)男らしさ』『(その半歩か一歩後ろを歩くのを理想とする)女らしさ』を女性に求めているなと感じ、『ダイバーシティ』を望むと書き記されていたが、「こんな風にダイバーシティを望むと言語化される方でもこの解像度なのか」と絶望に似たようなものを感じた。
また奥様が罹患されたうつ病や自閉症に関して記述も正しいとは言い切れない部分もあった。ご家族でも精神病に関しての理解度はこの解像度なのかと残念に思う部分があった。(多分ご本人はご自身のことを非常にリベラルであると信じてやまないと思う)
同じ著者の『働く君に贈る25の言葉』をこの本を手に取る直前に拝読し、大変感銘を受けた。しかしこの本を期待が高すぎる状態で読んだこともあり、正直いうとがっかりした部分も多く、少し残念だった。
Posted by ブクログ
佐々木常夫氏の講演を聴く機会があり、この著書を購入。著者の生き方の全てに共感する分けではないが、この本は私にとっては読む価値は十分にあったと感じた。何を優先と考え生きていくか、改めて考えるきっかけとなった。
家庭の事情は壮絶としか言いようのない状況であったが、効率重視の仕事術を徹底し、会社の中でも成功しつつも、精力的に家族の支えとなる行動をしてこられた姿は、並大抵な覚悟では真似はできないものと思われる。少なくとも気力はあっても私自身は実践するだけの体力に自信がない。
仕事のスタンスについては非常に共感する部分があり、目標にしたいと思っているが、残念ながら家族に対するスタンスは、著者の方法がベストだとは思えなかった。子どもへの対応は素晴らしいものではあったものの、奥様に対しては少し疑問を感じる。奥様が最終的に一命を取り止めてはいるものの、その結果は運によるものであり、著者も鬱についての正しい理解をしていたとは思えない。もし理解していたとするなら、奥様のことはあきらめていたものと考えられる。人が自殺を試みる心境はやはり尋常ではなく、決して放置して良いものではない。奥様の命と仕事を天秤にかけて仕事をとっていたことは否定できないだろう。最終的に著者は奥様の回復により、より多くのことを学ばれ、結果本書を執筆されているとは思う。
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