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【世界初の反実仮想機械学習の教科書!】
反実仮想(Counterfactual)─ 起こり得たけれども実際には起こらなかった状況 ─ に関する正確な情報を得ることは、機械学習や意思決定最適化の応用において必要不可欠です。例えば、「現在運用している推薦アルゴリズムを仮に別のアルゴリズムに変えたら、ユーザの行動はどう変化するだろうか?」や「特定のユーザ群に新たなクーポンを与えたら、収益はどれほど増加するだろうか?」などの実務・社会でよくある問いに答えることを可能にするのが、反実仮想機械学習(CounterFactual Machine Learning; CFML)と総称される機械学習と因果推論の融合技術です。
本書では、反実仮想機械学習の重要な基礎であるオフ方策評価と呼ばれる統計的推定問題を重点的に扱い、反実仮想に関する情報を観測データに基づいて正確に推定するために必要な考え方と統計技術を着実に身につけます。その後、オフ方策評価の自然な拡張として、観測データに基づく意思決定の最適化問題を扱います。こうして、反実仮想推定を最重要の基礎に据える反実仮想機械学習の思想と理論、それらの汎用的な応用力を身につけることが、本書における最大の目標です。
なお本書では、反実仮想機械学習に関する理論やその実践、Pythonを用いた実装をバランスよく扱っています。例えば、関連の学術研究や論文執筆を行う方向けには、理論の理解を深める章末問題を提供しています。6章には、実践現場で働く方々向けに、独自に作成したケース問題を用いた応用例を示しました。学術研究を行いたい学生・研究者の方や実応用を行いたい実務家の方など、幅広い層や用途に有効活用していただける内容に仕上がっています。
■目次
●第0章:基礎知識の整理
0.1 確率の基礎
0.2 統計的推定の基礎
0.3 教師あり学習の基礎
0.4 因果推論の基礎
●第1章:標準的なオフ方策評価
1.1 オフ方策評価の定式化
1.2 標準的な推定量とその性質
1.3 基本推定量の精度を改善するためのテクニック
●第2章:ランキングにおけるオフ方策評価
2.1 ランキングにおけるオフ方策評価の定式化
2.2 ランキングにおけるIPS 推定量とその問題点
2.3 ユーザ行動に関する仮定を駆使したIPS 推定量
2.4 ランキングのオフ方策評価に残された課題
●第3章:行動特徴量を用いたオフ方策評価
3.1 行動の特徴量を取り入れたオフ方策評価の定式化
3.2 行動特徴量を有効活用する推定量
3.3 これまでに登場した推定量のまとめ
●第4章:オフ方策評価に関する最新の話題
4.1 強化学習の方策に対するオフ方策評価
4.2 オフ方策評価に関するそのほかの最新トピック
●第5章:オフ方策学習に関する最新の話題
5.1 オフ方策学習の定式化
5.2 オフ方策学習における標準的なアプローチ
5.3 オフライン強化学習
5.4 オフ方策学習にまつわるそのほかのトピック
●第6章:オフ方策評価・学習の現場活用
6.1 方策の長期性能に関するオフライン評価
6.2 プラットフォーム全体で観測される報酬を最適化する方策
6.3 本章のまとめ
■著者プロフィール
齋藤優太(さいとうゆうた):1998年北海道生まれ。2021年に、東京工業大学にて経営工学学士号を取得。大学在学中から、企業と連携して反実仮想機械学習や推薦・検索システム、広告配信などに関する共同研究・社会実装に多く取り組む。2021年8月からは米コーネル大学においても反実仮想機械学習などに関する研究を行い、NeurIPS・ICML・KDD・ICLR・RecSys・WSDMなどの国際会議にて論文を多数発表。そのほか、2021年に日本オープンイノベーション大賞内閣総理大臣賞を受賞。2022年にはWSDM Best Paper Runner-Up Award、Forbes Japan 30 Under 30、および孫正義育英財団第6期生に選出。著書に『施策デザインのための機械学習入門』(技術評論社)がある。
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