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厳寒の森に「移民兵器」として放たれるクルド人家族、鉄の棺桶のような船で地中海に漕ぎ出すアフリカの人びと、徴兵を逃れて雪の山に消えるウクライナの青年たち……。秩序が崩れ落ちる欧州に出現した“パラレルワールド”を往還しながら、圧倒的な取材力で「新世界」のリアルを可視化する第一級の現場報告。
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Posted by ブクログ
分断がどんどん進んでいく理由が見えてくる。 世界の現実を知るためにも、心は重くなるけれどもこの本多くの人に知って欲しい。 平和は積み重ねで育てていくものだけど、世界の動きはもう止められないだろう。
何となく一本テーマの通ったノンフィクションかなと思って読んだんだけど、ポーランド・ベラルーシ国境から地中海イタリア、そしてウクライナ侵攻による国外脱出や国内のルポ、モルドバ、再びポーランド・ウクライナ、また地中海、チュニジア・イタリア、そしてジョージアと、著者の興味が赴くままに取材した雑多な地域の内...続きを読む容をまとめた一冊という印象で恣意的な感じを受けた。広い意味では「難民・移民」が通底しているけど、どうにもウクライナの問題だけが浮いて感じられて寄せ集め感は否めなかった。 もちろんルポとしての内容は大変貴重で、自身が足を運んでインタビューした人々の表情や言葉は素晴らしく価値があると思う。読み終えてみればテーマとして筋が通るような気もしないでもないが、やはりチグハグさが残った。 印象的だったのは、モルドバの未承認国でロシア派として生きる人たち、ジョージア国内で侵攻に反対しながらも住みづらいジョージアにいなければならないと言うロシア人たち、そして地中海からの密航がこんなにも多いという事実。前著のアメリカを目指す不法入国者たちのルポを読めば、もっと著者の持つテーマが見通せたのかもしれない。 それにしても国外脱出など夢にも思わない暮らしをしている我々がどれだけ幸せかとも思うし、台湾有事や北朝鮮の暴発などがあれば一瞬で崩れうる儚い平和なのだろうなとも感じた。
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移民・難民たちの新世界地図―ウクライナ発「地殻変動」一〇〇〇日の記録―
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村山祐介
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