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ぼくは十三歳。小さな町の中学校に通っている。一昨年、母さんが死んだ。友達はいない。作る気もない。だけど、恋をしてしまった。三つ年上の、とびきりの美少女に。ぼくの周囲では、陰惨な事件が次々に起こる。まず自宅で親友が殺され、中学校の校内では、さらに奇怪な殺人事件が。そしてぼくは、自分が恋している相手が、神のような推理力をもつ名探偵であることを知ったのだった――。鮮烈なる青春ミステリー。
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Posted by ブクログ
“先生は眼を細め、白い歯を見せた。飛び切り素敵な笑顔だった。 (きっとあれが、本格的な恋の始まりだったんだろうな) 心の中でそうつぶやく。相手が三歳年上だけれど、そんな恋愛は世間にいくらでもある。好きで好きでたまらないのだから、仕方がなかった。 (ぼくはまだまだ子供だけど、でも……)[P.46] ...続きを読む最後の展開が楽しかった。 “「ところで、一つきいてもいいか」 「はい、どうぞ」 「いつ、おれの正体に気づいたんだ」 「そうねえ。最初はやっぱり、ウサちゃんの名前を聞いた時よ。ただ『ナオ』というだけなら、偶然の一致ということもあり得るけど……敦己君はウサギが『自分で名乗った』と言った。それを聞いて、もしかして、と思った」 「まったく、あのガキ!よけいなこと言いやがって」 おれは大隈敦己の頭を二、三度、殴りつけてやった。 「乱暴はまねはよしなさいよ」 「大きなお世話だ」”[P.190]
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