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「留学体験にくらべれば猫の話はまったく些細な、せいぜい日常生活に気晴らしがひとつ加わるような次元のものだと思われるかもしれない。私自身そう思っていた。偶然の成り行きで野良猫を飼い始めたとき、人生の大きな扉が開いたのだとは思いもしなかった……ところが。アメリカ体験が社会的体験だったとすれば、猫体験は内面にかかわる体験だったといえよう。前者では私の視線は水平に、横へ横へと伸び、後者は垂直に内面に下りていく契機となった」(あとがき)猫たちとの共生から生まれる新しい日常生活。その生き生きとした、思いもかけないドラマ(ドタバタ)を愛猫家ならではの視線で描く三篇。さらに、40年前のアメリカ留学の地=ボストンを再訪して往時の出来事や人びととの交友を追想する貴重な体験記。最後の、ドイツ人女性シーギーの辿った悲劇を語るエッセーは重い読後感を残す短篇のようである。
...続きを読むPosted by ブクログ 2013年05月30日
文章に若さを感じる。
それは、昨今の若者言葉を使って若ぶっているとか、若さに媚びているとかいうのではない。
おそらく、ご自分の40年前の若さをもう一度追体験することに成功しているのだろう。
そして、確かに歩まれてきた40年もまた同時に感じる。
一見かけ離れているかのような、猫たちにまつわる3編と...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年02月22日
猫を題材にした小説、でも、エッセイでも、読むときはいつでもどきどきする。
話の筋とは関係なく、突然道路へ飛び出して車に引かれちゃうんじゃないかとか、変な物を飲み込んで窒息死しちゃんじゃないかとか
著者が「小次郎」をボストンに連れて行ったのにもどきどきした。
でも別れは突然くる。こんなに身構えていたの...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年09月04日
猫を飼ったことがあっても、仔猫を保健所に持っていく(つまり、殺処分する)ことに抵抗なかったんだな、と新鮮な驚きがあった。
時代背景もあるのだろうけれど、屋根裏で死なれても困るし、増えても困るし、野良猫に手を焼いていた、という理由があるにせよ、猫飼いにも色々な人がいるのだなと。
同じ人が、自分の飼...続きを読む
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