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切り絵作家のアグネスに不穏な影が迫る。彼女に肖像画を依頼した客が、次々と謎の死を遂げているのだ。真相解明のためアグネスが縋ったのは、11歳の霊媒師パールだった。死者の口から犯人を聞こうと開いた降霊会を機に二人の運命の歯車は狂い始める――アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞最終候補となった戦慄のヴィクトリア朝ミステリ!
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Posted by ブクログ
ヴィクトリア朝を舞台としたホラーミステリ。切り絵作家のアグネスは、消息不明となった元婚約者を待ちながら、質素な日常を送っている。しかし彼女の店を訪れた客が立て続けに不審な死を遂げることになった。思い悩むアグネスは、霊媒の少女・パールに助けを求める。一方でパールもまた、亡き母の霊と会いたいと思い悩んで...続きを読むいた。彼女たちがこっそりと行った降霊会で何が起こるのか。 地味で静かな読み口だと思っていたら、途中からどんどん目が離せなくなります。数々の事件は何者の仕業なのか、そして霊は存在するのか。マートルとパールの行う降霊会は本物なのかインチキなのかが気になりますが、アグネスとパールの降霊会の迫力は凄まじいです。そしてアグネスやパールの愛憎に満ちた姉妹関係にも引き込まれました。死した妹・コンスタンスの影に囚われ続けるアグネスとサイモンの関係の危うさも印象的だし、マートルのパールに対する想いも何だかやり切れません。すべての人たちの間に愛情はあるのだけれど、どこかしら歪で悲しく思えました。 そしてすべての事件の真相が……なんとなく予測はしたけれど。その予想を越えてくるラストでした。いろいろ切なく、恐ろしくもあります。
ゴシックミステリかもしれないけれど、禍々しさや不気味さはあまり(ほぼ)なくて、むしろポップ。切り絵作家というのは面白いな。アグネスを、勝手に若目に想定して読んでいて、結構歳が行っていることに気づいて驚いた。
不安と悩み…人間の最深部にある闇が垣間見える、ヴィクトリア朝時代のゴシックミステリー #象られた闇 ■あらすじ 19世紀イギリスのヴィクトリア朝、切り絵作家として生業を得ていた主人公アグネス。苦しい家計ながらも肖像画の依頼を受けていたが、その客たちは次々と不可解な死を遂げる。過去、自身の妹を失って...続きを読むしまったこともあり後悔の念に苛まれていた彼女は霊媒師の少女に相談、客たちの死の真相を探ろうとするのだが… ■きっと読みたくなるレビュー 見える…人間の最深部が見える。こ、こわい… 本作はヨーロッパ中世を感じさせるゴシックミステリーです。終盤まで大きな展開がされることなく、切り絵作家の女性と霊媒師の少女を中心にしみじみと物語が進行していきます。 まったく派手ではないのですが、十字架を背負っているかのように、悩みや苦しみが読者にのしかかってくるんです。これが半端なく重くて、たびたび心が揺さぶられる。どうにかならないのか、この人たちはと… しかも事件の謎も情報が少なくてよくわからないし、霊媒師と催眠術師の姉妹とのやり取りも不毛。私は一体どういう物語を読んでいるのか、この話のゴールは何なのかもおぼろげになってくるんです。 ただ物語の後半には、まさに怒涛のような展開と真相が待ち受けている。不幸の臨界点ともいうべき場面では、人間が精神的混乱に見舞われるとこんな感情になるのか… まるで鉛を飲んだような感覚で胃が重いっ そして真相ですよ…これまで、ずっと薄暗い世界をさまよっていた理由が明かされるのですが、そこに希望はあったのか分からない。それでも彼女が前向きになれたのは、本作唯一まともな人物、医者のサイモンがいたからでしょう。この陰鬱とした世界で彼の存在がいかに大きかったか、自分を思ってくれる人が存在していることの大切さが身に沁みましたのでした。 ■ぜっさん推しポイント 知る自由、学ぶ自由、考える自由がないというのは、どれだけ不幸なことなんだろう。何事も自分では判断ができるようにはならず、その結果、他人に利用されるだけになってしまう。 人間は色んな環境に身を置いて生活をしなければなりませんが、本作の主人公である切り絵作家の女性と霊媒師の少女ほど辛い環境はない。教育の自由を奪うことは、これからも決してあってはならないことですね。
ヴィクトリア時代のゴシックミステリー。何やら曰くありげな切絵作家のアグネス。産まれた時に母を失い父違いの姉に育てられるアルビノの少女。彼女は姉の命令で霊媒師を生業としている。 のっけから、暗くジメジメと霞んだ街の様子が迫ってくる。ミステリと言うよりアグネスと亡き妹、少女と姉のウェストの姉妹の哀しい物...続きを読む語として読めた。
5W1Hがあまり明かされず、一つのWに絞った内容で、あの本を思い出すが、喉切ったら返り血浴びるだろ。
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