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セクシュアリティをはじめとし,近代社会において私的領域の深奥に秘匿されてきた事柄の政治性を鋭く分析する本書は,あらかじめ定められた物語を攪乱し,語りえぬものに声を与える政治と倫理の新たな地平を切り拓いた.精緻な理論でフェミニズム批評の最前線を走りつづけた著者の代表作,待望の文庫化.(解説=新田啓子)
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Posted by ブクログ
第1章はふつうに為になる。 第2章「愛について」がいちばんおもしろかった。精神分析の〔ヘテロ〕セクシズムを精緻に批判して取り除いていったうえで愛の不可能性の議論に到達するロジックと文章の美しさ。 第3章「あなたを忘れない」は、自分が「女」ではないため母-娘関係の議論に自分事として深く感情移入しながら...続きを読む読むことはできなかったが、そうして辿り着いた「「不在」の子供への呼びかけ/母に対する娘の呼びかけ」をまさに実践するかたちでの終盤の誌的でありながら論理的な総まとめの文章の連なりには圧倒された。 たほうアイデンティティが主題となる後半の3, 4章は抽象的で難解過ぎて今の自分にはしっかり付いていくことができなかった。 この密度の哲学的なフェミニズム批評書を一冊読み通すのは初めての経験だったが、竹村和子がさまざまな意味で稀有な思想家であり書き手であったことだけはまざまざと思い知らされた。
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愛について アイデンティティと欲望の政治学
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