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男は長年忘れていた記憶を繰り返し夢で見ていた。それは五十数年前、終戦直後の朝鮮長屋で過ごした少年時代。殺害された友人が警察の裏庭で乱暴に解剖され内臓を引きずりだされた姿だった。次第に現実と夢の境界が曖昧になった男は、殺戮と快楽が同じと思い始めていく……。表題作ほか六篇、醒めない悪夢の果てにある暗黒世界を描く傑作短篇集。
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Posted by ブクログ
【2024年127冊目】 夢と現実の境目に囚われた男。戦争に人生を狂わされ、復員後も壮絶な一生を過ごした男。ある一定のルートから抜け出せなくなった男。幽霊を見たタクシー運転手の後悔。雨の日の客とタクシー運転手。魔が差した真面目なタクシー運転手。長距離運転の罠。全七篇の短編集。 初の梁石日さんの作品...続きを読むでした。全七篇ですが、そのうち四篇がタクシー運転手の話です。偏りすぎでは?もしかして、梁さんタクシー運転手の経験ある?って思って調べたらやはりでした!実体験も混じってるかもしれない。 どのお話も文体が綺麗でシンプルでするする読めます。時折、軽めのエログロも入ってきますが、可愛いもんです。初めての作品としてこちらから入りましたが、長編に行く前に読んで好みかどうかを確かめるにも良いかもしれません。 あらすじにある「醒めない悪夢の果てにある暗黒世界を描く」はちょっと大袈裟な気もしましたが、嫌いではない表現ですね。
夢か、闇か、夢の闇なのか。久しぶりの梁石日を読んだ。彼の短編集は初めて。 長編は面白いけど、どっぷりと重いので、これは気楽に読めるので、まだ読んだことのない人にはお勧め。
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